岩手山、8月後半の花ときのこを賞でる山旅

2010年8月18日〜21日  2人パーティー



 

馬返し登山口から望む、岩手山 

 岩手山は、そばを通り過ぎたり、飛行機の窓から眺めたりするだけでした。学生 時代から何度も何度も。
 ある時期には噴火活動で登山ができなかったことも、登ることができないできた理 由の一つでした。
   2年ぶりの東北の山と温泉の旅を組むにあたって、山は岩手山に登ろうと決めま した。山頂部のコマクサなどの花が、ぐんと増え出しているという情報にも気を惹 かれました。

 
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8月18日
 都内 13時30分 発 車→
岩手山・柳沢コースの馬返し登山口 21時40分 着(泊り)

8月19日
 馬返し登山口(標高630m、5時29分発)→1合目(910m 6時14分着、21分発)→新道四合目 (1250m 7時17分着)→新道五合目(1390m 7時41分着)→新道六合目(1567m 8時21分着)→ 七合目(1722m 8時47分着)→八合目避難小屋(1770m 9時15分着、25分発)→不動平(1820m、 不動平避難小屋、御神坂コースへの分岐 9時30分)→外輪山(9時58分)
→岩手山山頂(薬師岳2038m 10時09分着 25分発)
→外輪山周回(10時52分)→八合目避難小屋(11時17分着、30分発)→七合目 (11時40分)→ 旧道コース・六合目・御蔵石(11時58分着)→旧道四合目・連絡道で新道四合目へ(12時50分着) →新道三合目、二合目、一合目経由→馬返し登山口(13時55分)
車→ 網張温泉で入浴→国見のキャンプ場が使えず、温泉(泊)

8月20日
 国見温泉→秋田県の角館、横手市、湯沢市などで「道の駅」などを回る。
山形県新庄市を経て、月山のふもと・肘折温泉泊。

8月21日
 →天童市、山形市、寒河江市などを回り、小国町を経て、新潟県・関川村、荒川町経 由で、新潟市で日没。
北陸道、関越道から夜帰京。(走行1450キロメートル)

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 8月18日

 夜、10時すぎに馬返しの駐車場に着き、車中泊。
 ここまで東京の西端の私のところから、600キロほどの走行でした。




明けて8月19日朝、馬返し登山口の駐車場 

 8月19日

 19日朝、朝食のあとコーヒーを淹れているうちに、霧が晴れだしてきました。
 5時30分、出発。
 林を5分も行くと、キャンプ場の管理棟と、駐車場よりも立派な水洗トイレと、水 場がありました。




キャンプ場わきの道を抜けて、登山口へ進みます。 




管理棟や水場、きれいなトイレなどがある場所に、登山口があります 




タマガワホトトギスの実 




0・5合目を過ぎると、沢沿いの開けた地形に出ます。 

 1合目までは長いけれど、標高はあまりかせげない緩い登りでした。
 新道を行くか、旧道にするか? 岩手山のこのコースは、並行する2本のルートが あります。地元の登山者は尾根筋を行く旧道が、見晴らしがいいと言います。しか し、今日はかんかん照りになりそうだし、湿った森の道の方が花もキノコも多いの ではと考えて、私たちは新道をたどることにしました。




ハナホウキタケ 




トチバニンジンの実 

 日差しを避けられる点では、新道は今日は当たりでした。表土が50センチか それ以上も削り流された登山道は、灌木なども頭上にえだを広げて、ちょうどいい 日除けになってくれました。
 キノコが多い道でした。タマゴタケや、早く生え出すイグチの仲間など、まだ夏 のキノコが中心。
 花では、2合目でホツツジが多く、トチバニンジンの線香花火のような実の付き 方が、目を楽しませてくれました。




はるかに霞む台地状の山は、早池峰か。 




ハクサンボウフウかな? 




この山はホツツジが目立ちます。 




同 

  4合目あたりは、キノコの密度がぐっと濃くなりました。これに、タケシ マランの赤い実、シラネアオイの実、マイヅルソウの若い実が、秋の入り口の風情。
 おもしろかったのは、ウメバチソウは、8合目あたりよりも5合目あたりで、つぼ みが多く見られたことでした。夏の訪れは、標高が低いところから始まり、山頂部 が一番遅いはずなのに、それでいて秋は、逆に標高が高いところから、花が急いで 咲き終わるからでしょうか。8合目あたりのウメバチソウは、花が終わりだしてい ました。




クサボタンのめずらしい造りの花 




花が終わると、こんなふうに変身 




シロオニタケか、そのモドキ




タマゴタケが出ていました。 私は、カメラを、特殊な雲台で、一脚に固定し、接写をします。
一脚は、足が伸縮し、カメラの高さを自在に変えられます。  





タマゴタケ




ミヤマシシウドなどは、葉の基部が茎を抱き、膨れます。
そこがタテに裂けて、枝(茎)を分枝するので、ぱっくり口を開いてしまう。  





シラネアオイの実 




タケシマランの実 




イワテヒゴタイ! 
岩手山の山の名前を冠した花に会えました!!  


 5合目から7合目にかけて時期を迎えていたヤマハハコは、花により、ま た株によっても、花弁の咲きだし方や色合いが様々で、これにも何度も足が止 まりました。




ヤマハハコ




マイヅルソウ 




ウメバチソウのつぼみ 




小屋は霧に包まれていました 

 6合目からはハイ松が現われ、8合目に立派な避難小屋がありました。
 9時15分着。
 予想を越える大きな小屋です。小屋前の御成清水は、ここに引かれた分だ けで1分で20リットルぐらいの勢いで流れ落ち、しかもとびきりの冷たさとう まさでした。
 ここか、不動平の小屋に泊まるのも、いいでしょうね。




8合目の小屋の前には、冷たくうまい水。御成清水。
火山の堆積層のろ過の効果か、ちょっと、未体験のうまさ。  





エゾシオガマ 




ミヤマシシウドも、見事な実をつけていました 

 霧が立ち込めたなか、不動平への平坦な道は、初夏のころはさぞや!とい うお花畑の様相。その名残を感じとりながら、次は、外輪山へのガレ、ザレの登 りです。
 風衝地帯のため、イワブクロ、コマクサ、オヤマソバ、キバナノコマノツメな どが見られました。花の盛期は、ここもすばらしい道になると想像しました。
 登るうちに、霧がどんどん消えて行きます。




外輪山への登り 




イワブクロ。わずかに咲き残っていました 




キバナノコマノツメ。三角形の手裏剣型に開いたの
は、種子を飛ばしたあとのサヤです。 





外輪山に上がると初めて山頂が見えます




西には御釜湖 

 外輪山に立ち、岩手山の山頂部の全貌が、初めて姿を現しました。山頂の 薬師岳は、外輪山の北北西の一端の、一番の高みにありました。ここから距離に して700メートルくらいでしょうか。
 外輪山の中には、砂丘が盛り上がったような新山の妙高山があり、その手前に 深い断崖の一部をのぞかせて、新しく活動した火口が口を開けています。
 妙高山は、新規の噴火活動で、地中からドームのように押し上げられる一方、 火山岩と灰とを表面に厚く積もらせた様子です。
 そのため、この山の地表に植生はほとんど見られず、「砂丘」のような姿を していると想像しました。 




岩手山の山頂へ。東北屈指のジャイアント峰
を実感する、広大な空間を進みます 





山頂目前 

 さあ、山頂へ最後のひと登りです。  左手、西のずっと下方には、濃いブルーの御釜湖が見えます。地形から、これも 昔の火口の名残らしい。
 不動平から伸びる岩のヤセ尾根が、その火口を大きく囲むように、さらに西へと伸 びています。もしかしたら、この岩尾根は、以前の岩手山の外輪山の一角が、姿を現 したのかもしれません。 




岩手山山頂 

 10時09分、山頂へ。
 楽しみの遠望は利きませんでした。でも、この山の山頂部が一望できる天候で、幸 せでした。 




山頂から下降 




北向きのこの場所に、コマクサが咲いていました 

 帰りは、外輪山を周回するコースへ。
 下りかけて、この日見たうちで一番、若い、コマクサたちに出会えました。この北 の斜面は遅くまで残雪があり、また日差しもそれだけ不足してきたのでしょう。
 北に回り込むと、山頂部はもっとも立派に見えてきました。 




下って山頂を振り返る 




8合目の小屋まで戻ってきました。  

 周回を終えて、もときた道を、8合目小屋へ。
 また、まずは、うまい水を味わいました。
 やっぱりこの小屋に、泊まりにきたいな。 




アキノキリンソウ 

 小屋を11時30分に出発。
 今度は旧道コースをたどりました。はるか下に、キャンプ場と駐車場が望 めます。ここまできても、なかなかの高度感。
 眺めはばつぐんですが、ザレで滑りやすい場所があり、浮石が多く、さらに かんかん照りで、すぐ、これはいかん! 
 5合目で分岐するコマドリ清水への「連絡道」で、新道に乗り換えようと思 いましたが、ここは沢への下降が眺めで、入り口でやめて、また旧道を下降。
 4合目で、ほとんど高低差がない、短い連結道を使い、新道へ乗換えました。 




アザミの仲間 




高度感のある下降。旧道部分 

 13時55分、馬返しの登山口に降り立ちました。
 岩手山は大きな山でした。写真は450枚ほども撮影。きのこがこんなに多いのに も驚きました。
 まず汗を流すため、網張温泉に立ち寄りました。ここのお湯は白く、香りが良く、 とっても気に入りました。 




下山後、国見温泉の石塚旅館で、自炊の湯治扱いで泊めてもらいました。 




露天風呂からは、星空が見事。  





山の便り、大地の恵み (野原森夫)
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