しいたけ・タラの芽

1999年4月21日


 どうして、こんなところに、こんなに一杯シイタケが生え出してる の? 私たち3人は、日なたのかんかん照りの斜面にいっぱい 見つけたシイタケに、びっくりしてしまった。
 恒例の道志山塊タラの芽採り(今年は3人パーティーと小人数で実 施)は、タラの芽もそうだったが、シイタケの群生に目の色を変える大収 穫祭りとなった。

 タラの芽の時期ねらいは、桜の開花と満開日から旬を算出する基礎 データ(展望の広場♯13372)にすべてをまかせて、ウィークデー のこの日に万難を排して設定。標高800メートルのひみつの現地へ、 ヤブをこぎ、沢をトラバースして1時間あまりかけて登った。
 山腹をトラバースする途中で、進路の右手の倒木に、何か茶色の円盤がいくつも取り付 いている。近づいてみたら、これが、シイタケだった。喜んで収穫し て、さらに進もうとしたら、こんどは左手の斜面に7,8本の大 きな倒木が横たわり、その幹からもたくさんの、でっかいシイタケが生 え出している。「うわっつ、これはとんでもない量だね」「いまご ろなのかな、シイタケって」「春と秋に出るんだよね。田部重治の紀行 文にも、5月下旬の奥秩父縦走で生シイタケの甘くて大きいのに出会え た話が出ていたよ」「今年は,春に雨が多かったから、こんな尾根の上 でも、生え出してきたんだね」

 


 そんなことを言い合いつつも、行く手のタラの木との格闘技にそなえ て、今は、シイタケに手をつけるわけにはいかず、収穫はおあずけ。 さらに尾根を3つほどまいて登って、ようやく、めざすタラの芽群 生地にたどりついた。

 この現場に通い始めて、発見者のA氏はもう10年目。タラは直径8 センチ、高さ5、6メートルほどに育っている。そのタラの木が、一 帯250メートル四方の区域に、数メートル間隔で点在している。そ の先端には、大人の親指顔負けのとびきり大きなタラの芽が、「今、ま さに、芽を伸ばさんとす」というころあいで、ちょこんとついていた。 「また、今年も、出会えましたね」「ことしも、ばっちり、摘み頃 だね」。

 毎年,大事に見守ってきたタラの木林だから、ほどよく味わうぶん があれば、充分。木を傷めないように、手製のフック(柄が1・8 メートル、ジュラルミンのフック部分が1.0メートル)を使って、急 傾斜の斜面の上手から、タラの木の上半分をやわらかくしならせ、二人 がかりで摘み取る。それでも、幹が太すぎて、全然、しなってくれ ない木が多くて、いい芽が付いているのを見上げるだけのことも、しば しば。野バラ、タラのジャングルの中に血路を開きつつ、前進し た。

 興奮と、猛奮闘で、のどはカラカラ。一休みして飲んだ水の、おいし かったこと。摘んでいる途中、切り株からまたシイタケが生え出してい るのを見つけた。大室山あたりが、かすんで見えているが、この うえ、展望にまで恵まれたら、申し訳ない。



 帰りには、もちろんシイタケを採りまくった。その半ばで、ザックが一 杯になり、大汗をかいて下山した。



 この夜の、献立。天ぷら(タラの芽、ウド、コゴミ、ハナイカダ)、 酢味噌和え(ノビル、カンゾウ)、ごま和え(コゴミ)、ひたし(ナル コユリ、ミツバ)、シイタケのバター焼き。お風呂に入ったら、足や腕 の名誉の負傷にお湯がしみ、ひりひりとうれしい痛みだった。




                

 シイタケは、とても食べきれないので、網の上(干しいもづくりのと きに使っています)で乾燥させた。ワラビも採れが、これは日曜日に畑仕 事をしたときの焚き火の灰でアク抜きして、おいしいおひたしにした。





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野原 森夫
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