木を大事に。タラの芽用のフック

道具の話 その2



 実は、この道具のことをいうと、少なくない方がたから非難をあびるのでは、と 思って躊躇しました。でも、こういう道具がきちんと普及しないと、かえってタラ にとってはかいわいそうな問題になると思って、ここに書きこみます。
 もちろん、この道具とその効用は、まだ発展途上、試行錯誤の最中です。是非も ふくめて、ご意見やアドバイスをいただければ、ありがたいです。

 タラの芽は、林道の脇や伐採の跡など、人工の力が加わった場所に、大繁殖し ます。2,3年目はまだ、せいぜい膝から腰までの背丈で、芽も小さすぎて山菜取り の対象にはなりません。でも、毎年40〜60センチも背丈を伸ばして、5年目くらいからは 2,3メートルの高さに伸びてしまいます。
 とても素手では、芽を得ることはできません。

 私たちがよくフィールドで見かけるのは、なんの準備もなしにこういう 背丈のあるタラに挑んで、ときには枝や幹を折ってしまった姿です。

 タラの芽を始めからねらって山に入る人は、スキー手袋(厚い皮手袋)、縄跳びの縄、 園芸用の枝きり(長さ2〜3メートル)などを準備して行く人もいます。また、鉈やノコギリ を持って山に入り、現地で適当な枝を使って「ひっかけ棒」(先端がカギ型)を作ってしまう 人もいます。

 私の場合、初めは、登山用のシュリンゲ(ナイロンの細ひも)を使いました。続いて、山菜 取りの仲間から教えてもらった、ジュラルミン製のひっかけ棒を、シュリンゲ と併用して使うようになりました。
 ジュラルミンは、「東急ハンズ」などから直径10〜12ミリ、長さ1メートルのものを購入してきて、 鉄の水道管の中に先端を差し込んで、半径3センチほどのカーブに、滑らかに曲げました。



タラの芽のフィールドにグループで出かけた私。
左手に持っているのが、フックで、
棒につけた長いものと、ジュラルミンのフックだけの1メートル弱のと、
2本を併用 する。

 この短いひっかけ棒はとても使いやすくて、軽快で、シュリンゲと組み合わせてずいぶんと タラの芽の収穫量がアップしました。タラの木は、若いものはきわめて柔軟で、気をつけてしならせて やると、先端の芽に手が届きます。

 ところが、私たちの秘密のフィールドのタラの木は、6、7年目には、幹の太さ6,7センチ、高さ は5メートルから7メートルほどにまで、成長して行きました。短いひっかけ棒では、とても太刀打ち できません。そうこうしているうちに、幹を曲げようとして力を入れて、枝が折れてしまうことも 何度もありました。

 そこで考えたのが、長さ2メートルの丈夫な木の棒の先に、ジュラルミンのひっかけフックを取り付け た道具でした。

 写真が、それで、これはやぶの中を移動中の写真です。

 なにしろ、何年もかけて大事に大事に収穫しなければならない、タラの芽のフィールドです。タラの 大木は何本にも枝分かれして、その先端に一個ずつ大きな芽をつけます。とれないところは、タラの芽 の涵養のために敬遠して、採れるものを2,3個ずつ、やさしくいただかなければなりません。
 そのため、2人、ないし3人のチームを組んで、一本の幹に2本、3本のこのひっけけ棒をかけて、 全体が自然にたわんでいくように、協力して力をかけていきます。
 1人、ないし2人で押さえているあいだに、もう一人が芽を摘みます。
 そして、タラの木をもとにもどすときも、慎重に、ゆっくりたわみをもどしていきます。

 効果は絶大で、いい場所のいいタラの芽を選んで、確実に採れるようになり、また、幹や枝を折ってしまう こともぐっと減りました。初心者が加わったときには、このフィールドで長く楽しむこと、そのために木を 無用に傷つけないことなど、しっかり注意し合います。

 いかがでしょうか。この道具は? みなさんは、どうやっていますか?
 棒の部分を折畳式にして、より持ち運びやすく、あまり目だたないように改良することが、 これからの課題です。





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野原 森夫
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