奥利根、残雪の森でコシアブラ、ハリギリ探索

2006年4月末






雪が融けるそばから、フキノトウが姿を現す

 この冬は数十年ぶりの豪雪でした。おまけに、4月半ばにもまとまった降雪が ありました。
 水上から奥利根の一帯へ入ると、道の両側には高さ2メートル内外の雪の壁が つらなります。日向の斜面も、まだ数十センチの雪が残っています。GWにも何度 かやってきた地域ですが、これほどの残雪を見るのは初めてです。

 敢えて、こんな年、こんな時期に奥利根にやってきたのは、車道沿いでも、林 道歩きでも、残雪の条件は見通しが利くためです。今回は、雪の森を歩いて、コ シアブラとハリギリの生息密度が濃い場所を調べるのが、目的でした。それと、奥 利根の目的地にたどり着くまでに、一足早く雪が消えた斜面で、雪国の春の花に会 うことも目的でした。



ショウジョウバカマ。群生地がありました


 1日め。
 水上は、ソメイヨシノが満開で、少し散り始めたところでした。春の到来が1週 間以上も、遅れているのではないでしょうか。
 水上の町をぬけ、湯檜曽川の岸辺で、まず春の花を探しました。雪解けの奔流はす さまじく、傾斜のある草付はこわごわのぞくだけ。誰もよりつかないようなその空 間に、ショウジョウバカマの群落がありました。キクザキイチゲも、短い開花のと きを迎えていました。



ウバユリの芽と思われます

残雪が溶け出した際には、イタドリやウバユリの若芽がかき氷に埋もれるよう に、芽をのぞかせていました。



ヤマエンゴサク



いつもは道路に雪はないのに、
今年はこんなに残雪が残り、林道ゲートを埋めていた


場所を変えて、いよいよ奥利根の地域へ。車道脇には除雪された雪の壁が2メート ルを超す高さに積み上げられています。いつものGWなら、残雪があっても日陰にわ ずかという程度なのに。
私たちが歩くルートに選んだ林道のゲートは、高さが120センチほどあります が、そのゲートが隠れるほどに雪に覆われています。足固めをして歩き出すと、吹き 溜まりでは、高さ2メートルほどの林道の道標が上端だけ雪上の顔を出しているとこ ろもあり、今季の雪の多さを改めて感じさせられました。
幸い、上空は快晴。谷川岳から朝日岳へと居並ぶ上越の雪山も、霞みのなかに眺め られます。



ヤブは雪の下。適当にルートを選び、森を登ります

私たちは、森の中の急斜面を突き上がったり、林道の残雪をたどったりと、気まま なコースをとりながら、探索を楽しみました。



ハリギリの芽。これは山麓で撮影



直径10センチほどの、中ぐらいのハリギリの幹。
鋭く、大きなトゲがまばらにある。若芽も見える


幹も枝も鋭く長いトゲだらけのハリギリの木が何本か見つかりました。一番大きな ハリギリは、背丈が20メートル、幹の直径が30センチほどありました。見上げる と、枝先には膨らむ時期まであと半月余りは間がある、まだ堅い芽が付いています。
コシアブラは、ある高さまで登ったあたりで、数本が固まって伸びている場所が、2 ヶ所見つかりました。この分だと、50メートルから100メートルすすむごとに、何 本かずつには出会えそうです。コシアブラもまだ20日は早そうです。
林道脇の採取されやすい場所のものは、摘まれて枝先が太くこぶ状になった木が目立 ち、痛々しい感じでした。


まだふくらみだしていない、コシアブラの芽

コシアブラは、翌日の帰路で、車道から少し入った森の中にも、群生地を1ヶ所見つ けました。
一帯がハリギリとコシアブラにほどほどに恵まれた地域である場所だと確認できたとこ ろで、雪の上で昼ごはん。探索の目的は果たせました。

下山のルート上では、アブラチャンやバッコヤナギ、キブシの花などを楽しみ、枝沢が 雪解け水で増水しているのに驚きながら、帰ってきました。
その夜は温泉で1泊。

 その2へ続く

 


山菜・野草 表紙へ     TOPへ

     山の便り、大地の恵み (野原森夫)  
http://trace.kinokoyama.net/