ミツバとクレソン


庭のミツバ(4月14日)



 水辺の野草のなかで、判 別がしやすく、似た毒草も ないので安心なのが、ミツ バとクレソンです。どちら も八百屋でなじみがある野 菜ですし、特徴のある香り も見分ける目印になります 。
 野生のミツバは、沢の水 の流れの脇の草むらや木陰 で見つかります。毎年、同 じ場所に出てくるので、全 部を摘みきらないで大事に すれば、長く楽しめます。

 途中で枝分かれをせずに スルッと伸びた茎の先に、 三枚の葉がつく姿はよく目 だちます。セリなどにくら べ、判別のまぎらわしさは ありません。春先のものは 、背丈が一〇センチほどで茎も 白っぽく、葉も小振りです 。六月ごろには、葉の茎の 背丈が三〇センチを超し、白い 小さな花をつける花茎が五 、六〇センチにも伸びたものを 見かけたりします。

 ミツバは卵によく合いま す。吸い物もその一つです が、私は卵焼きが一番。フ ライパンの上に卵を広げ、 表面がまだ固まらないうち に葉ときざんだ茎をのせ、 巻いてしまいます。色もよ し、野生のミツバ独特の強 い香りもよし。
 さっと塩ゆでにして水あ らいし、香りと歯ざわりの よいおひたしでも楽しめま す。

 クレソンは、オランダガ ラシ(オランダミズガラシ )の名が示すように、帰化 植物です。関東や中部の山 地で栽培されはじめたもの ですが、繁殖力が強く、い までは各地で見かけます。

 多摩川に近い私の居住地 の近くには、段丘下から湧 き水があふれ、小川となっ て流れる場所が残されてい ますが、ここにもクレソン が大繁殖しています。ザリ ガニ、コブナもすむ湧水地 帯は、クレソンにとっても 居心地がいいようです。湿 地では、じゅうたんのよう に地面をおおい、足の踏み 場もないほどです。

 食べるなら、流水の中の ものを。川の水面から一〇 〜二〇センチほど茎を伸ばし、 青々とした葉をつけていま す。水中では茎が横にはっ て広がり、根も入れると七 、八〇センチの長さに達するも のもあります。
 水中の深い部分は残して 、水面に近いところから上 の鮮やかな緑色の部分を、 茎を指でつまんで折り採り ます。私の家では、上が小 学二年生の二人の息子たち といっしょにでかけ、夕食 のサラダの分ほどをとって くるのが、日曜日の楽しみ です。
 クレソンは、ワサビに似 た香りがします。マヨネー ズやドレッシングで食べる と、水がいいせいか、スー パーで買うクレソンよりク セがないシャキっとした味 を楽しめます。

(1990年4月30日、当時は立川市に居住)




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野原 森夫
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