山菜・野草 2000年春

早春のノビル





 3月9日、丹沢の山麓に出かけました。
 ここには、日当たりのいい草原の傾斜地があって、このごろの季節になる と、出かけるたびに様子を見に足を運びます。ワラビにウド、それにノビル、 アマドコロ、カンゾウ、ヨモギ、ミツバなど、ほんとうにいろいろな野草が出て くるところです。

 春早い時期なので、ねらい目はノビルです。 ノビルは夏に枯れ、秋から新芽が伸び始め、冬を越します。 いまごろは、まだ葉・茎が短めなので、春 の盛りのころほどには目立ちませんが、すぐにまとまって生えているのが 見つかりました。いちばん、茎の太そうなものを選んで、根元を指でつか み、そうっと引きぬきにかかります。ゆっくり、ゆっくり、20の数を数えて やっと1本をひきぬくくらいでないと、茎が途中で切れてしまいます。
 土の中からひっぱりだしたノビルの鱗茎は直径1・5センチ余りと十分な 大きさ。これだけの「球根」を地中に付けているのですから、いきなり引っ 張っては、かんたんに切れてしまうわけです。

 ゆっくり力を入れてみて、周囲の土が固くてびくともしないものは、敬遠し ます。抜けるものなら、力をゆっくり加えていくと、土がズリッと動く感じがします。
 4月後半あたりの盛期になると、ノビル専門に移植スコップを持ってきて 土ごと、束にして掘り起こします。また、手で抜く場合も、茎・葉を何十本も つかんでぐっと引きぬくと、切れずに束になって抜けてきます。こうしたあ と、鱗茎の大きなものだけを抜きとって、また束ごと土に埋め戻してやれ ば、何年でもノビルを楽しむことができます。

 今日は、7個ほど、鱗茎ごとノビルを摘みました。「いい大きさのが見つかった ね」と、地元のAさんはいいます。
 ノビルの料理はかんたんなものがいいみたいです。私は、さっとゆでて、 酢味噌でというのが好きです。ひたしにして、カツオブシとしょう油でという のも合いますね。ゆでるときは、お湯にまず鱗茎の部分をつけて1分弱お いたあと、葉の部分をざっと湯にくぐらせて、すぐに湯から出して、冷水を かけるくらいがいいようです。
 生味噌をつけて、生の鱗茎をかじるのがいいなどという話も聞きます。 私も、ついこのあいだ、やってみました。これが、言われているほど刺激性 などない。とくに鱗茎に部分は、甘味さえ感じ、おいしい。辛いのは、 茎の部分です。どうぞ、試してみてください。時期や場所によっても、 違うのかもしれません。
 ひたしはホウレンソウをゆでた後のように、ていねいにまとめて水を ぎゅっとしぼって、まな板の上で食べやすい長さに切ります。でも、酢味 噌和えのときには、一本一本、とりだして、指で鉢巻状に巻いて、皿に盛 ると、見た目も楽しめます。
 甘味のある、独特の味で、天ぷら攻めのときなど、はし休めにもいいで すね。





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野原 森夫
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