フキと、アキタブキ(ラワンブキ)

2000・4


 フキの種類のことですが、地方色もあるいろいろなお話が 出ているので、興味が出てきて何種類かの植物図鑑で調べて みました。

 そうしたら、フキは、本州の「フキ」と、北関東・東北以 北の「アキタブキ」の、2つしか表記していません。それ も、アキタブキは、フキの仲間うちの扱いです。せいぜい亜 種程度の位置付けで書かれていました。
 また、アキタブキは北海道にも、樺太にも生育していると のことで、北海道のラワンブキも、どうもこの仲間に入るよ うです。

 本州のフキですが、茎の色などで細かく分ければ、分けら れるのでしょうが、「種」としてはフキは1種のようです。

 でも食べ物としてみれば、色々 見かけも、使い方もちがっていた方が、おもしろくていいで すね。山へでかけて、みずみずしい緑色の太いフキにであう と、思わず何本か摘んで帰りたくなります。
 いちばん簡単な食べ方は、味噌汁にぶつきりにしていれる ことでしょうか。煮物も好きです。

 私の畑のフキは、茎が下から上まで緑色ですから、「水ブ キ」ということになりますね。ただ放っておくだけなので、 茎は太さが人指しゆびくらいと細いです。でも、軟らかく て、すじっぽくなくて、食べるとおいしいフキです。

 いま、畑に進出してきた分は 雑草として取り除く作業をしています。葉とフキノトウ(フ キの花茎)は、生え出す場所はちょっと間隔があいています が、地下茎ではしっかりつながっていました。地下茎の、葉 が伸びている部分から、根が下に伸びていました。

 2000・4・18




 フキの種類の問題と、北海道に多い大型化した植物の問題と、い ろいろ話題がひろがってきました。
 私自身は、植物はシロウトです。そうとことわってから、少し、 追加的に書きこんでみます。

1)北海道など北方に生育地を拡大した植物には、大型化したもの が目につきます。山や釣りが好きな私が、北海道で初めて出会って 驚いたものには、本州のリュウキンカと、エゾノリュウキンカの違 いでした。黄色の鮮やかな花が、二まわりは大きく感じました。
 イタドリ→オオイタドリ(最大3メートル弱)にも度肝を抜かれ ました。ラワンブキには、絶句。
 ツクシ(スギナ)も大きい。クロユリもでかい。ウバユリの仲間 も大きいですね。
 動物でも、ホンドリスにくらべて「キネズミ」ともいわれるエゾ リスは大きめです。熊は、本州のツキノワグマとヒグマでは「種」 が違うので話がそれますが、ヒグマの場合も北方ほど大きいです し、そして島のヒグマほど気が荒いと聞いたことがあります。ホン ドシカ→エゾシカもそうでしょう。

 北方地域ほど、生物が大型化するという、この「法則」は、いろ いろな媒体で耳にすることですね。
 そして、この小→大の変遷は、どちらが祖先だったのかというこ とはあるにしても、生物がその環境に適応して一定の進化・適応を とげるだけの長い時間のなかで生まれてきた結果だと思います。そ れからもう一つ、この小→大の関係には、個別の事例ごとに、まっ たく同じ種のなかでの単なる環境の違いによる大小の差異であった り、長い時間のなかで「亜種」や「別種」として変化をとげてし まったりという、いろいろなケースをふくんでいると思います。

2)それで、ラワンブキの場合です。ラワンブキは、どちらが先祖 かは別にして、本州のフキの「亜種」的なものではないかと、私は 理解しています。ですから、ラワンブキを本州にもってきたら小さ くなるとか、本州のフキを北海道にもっていったらラワンブキのよ うに大きくなるとか、そういうことは起こらないのではないでしょ うか。
 「亜種」とまではいかなくとも、少なくとも農作物でいう「品 種」ほどの違いは、あるのではと思います。

 「北海道植物図鑑」(噴火湾社刊)をまとめた原松次さんという 方が、「札幌の植物」(1992年刊、北大図書刊行会)という本 を書いています。この本には、調査のなかで札幌市内でただ1箇所 で「フキ」が市街地で見つかったことを記していて、「これは家庭 菜園から逃げ出したものではないか」と推測しています。
 本州のフキは、北海道に進出してきても、これだけ目立った違い があるわけですね。

 

 また、「北方植物園」(朝日新聞社刊、1969年)という、新 聞の連載をまとめた古い本があります。その「続編」では、フキに ついてこう書いています。
 「北海道の野生のフキは全部オオブキ、またはアキタブキと呼ば れ、小さくて細かい品種をキョウブキといって区別している。この キョウブキはすべて栽培品だ」

3)ラワンブキの「ラワン」の語源は、私はわかりません。コロ ボックルについては、白雪姫に出てくるほどのこびとではなくて、 ラワンブキの巨大さに似合う程度の小人だと、何かの本で読んだ気 がします。読んだ文章が、推測という範囲で書かれたものかもしれ ません。コロボックルは気になる存在なので、確かなところを知り たいですね。北海道のみなさん、教えてください。

 ……まあ、こんなことを考えながら、畑の「キョウブキ」(京 蕗)を眺めるのも、またオツですね。

 

 フキといえば、北海道を探検した松浦武四郎が、山間の泊り場で 鍋がなかったときに、同行のアイヌがフキの葉を何枚も重ねて米と 水を入れて火にかざし、ご飯を炊き上げてしまったエピソードを書 き残しています。粉のでんぷんをこねて、フキの葉で包み、「でん ぷんだんごのフキの葉焼き」を作る方法もあるそうです。  なお、私のHPには、ラワンブキの巨大さを存分に生かした「原 始的に燻製を作る方法」というページを、渓流釣りの欄に収録して います。

    2000・4・19
  



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野原 森夫
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