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南アルプス(赤石山脈)を東西どちら側から遠望しても、塩見岳はとても目立つ頂で
す。この山脈は、北部と南部に3000メートルを大きく抜け出る名峰を集めています
が、間をつなぐ長大な主稜線には、3052メートルの塩見岳以外に、大きな山がない
からです。 |
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14日 東京の西端の自宅(8時58分発)車→中央道・松川インター(11時27分)→大鹿
村(12時25分、買出し、林道情報入手)→鳥倉林道・車止めの駐車場(13時02
分着、同30分発) 三伏峠(2時31分発)→本谷山(3時36分着、同56分発)→塩見小屋(5時33
分着、同40分発)→塩見岳西峰(6時44分)→塩見岳東峰(6時46分着、7時1
0分発)→塩見小屋(7時54分着、8時04分発)→本谷山(9時24分着、同32
分発)→三伏峠(10時36分着、テント撤収、11時10分発)→登山口(12時4
8分)→林道→車止め・駐車場(13時26分着) |
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9月14日 今日は三伏峠までの行程なので、都内の自宅を遅めの時間に出ました。 林道の車止めゲート前には30台分の駐車場がありましたが、好天、連休で満杯。道 路の山側にも80メートルほど手前まで、場所を選んで路上駐車する車列が続いていま した。全部で50台はあるでしょう。登り出して後で聞いたことですが、三伏峠の小屋 も、塩見小屋も、前日から連続して満員で、小屋に泊まれずに日帰りで下りてくる登山 者もいました。 13時30分、ゲート前出発(標高1450メートルくらい)。40分弱で登山口(
標高1530メートル)に着き、三伏峠へのよく整備された登山道にとりつきました。 途中、少し崖気味なった場所を2、3箇所通過するところがりますが、道は歩きやす く、行程がはかどります。帰りに撮影したいキノコのめぼしをつけつつ、高度を稼ぎま した。帰りに、美味しいショウゲンジの若い菌や、チャナメツムタケを見つけたのも、 この尾根筋でした。水場はこの区間に信頼できるものはありません。 16時49分、三伏峠小屋に到着。着いてびっくりしたのは、北東側へ乗り越した三
伏沢沿いの天場が、幕営禁止になっていることでした。小屋の北より斜面の狭い天場し
か使えません。 私は、テントを張り終えてから、折りたたみの10リットルのポリタンクをかかえて 、沢へ水汲みに。下り10分、登り15分の道のりです。マツムシ草、咲き遅れのタカ ネナデシコ、これから咲こうというリンドウの花が目を楽しませてくれました。 旧天 場の手前に源頭の湧き水を貯めた大きなタンクを並べた小屋があり、あふれた水をホー スから落としています。冷たい、甘露水。10リットル、3000円相当!の水を汲ん で、登り返しました。 今回も妻と2人の山行です。家族登山形式は、息子たちがてんでんばらばらの生活に
入る年代になり、年に1度あるかないかに激減しました。このごろ、妻は、「山が好き
。高いところに登りたい」としばしばいいます。 明日の出発をどうするか。今日は午前中から稜線に雲がかかり、まだ塩見岳も拝めて
いません。明日も好天ですが、遠望をねらうには早朝に山頂に立ちたい。道にむずかし
いところはなく、いざとなればGPSも使う予定で、夜中に出発することにしました。
登山者は、2つの満員の小屋にくわえ、テントも25張り。静かな山頂に立つにも、夜
の出発は好都合です。 夜中に鹿の「ピューッ!」という警戒の声を聞きました。テントの脇を、人の足音で
なく、動物が通った気がしました。目を覚ますと、午前1時半。1975年から使って
きた2人用のダンロップ・テントは、内面がびっしり結露しています。もち入りのおじ
やを温めて、腹ごしらえ。2時半に、天場を出発しました。 樹林の中は真っ暗に近くて、湿地のぬかるみが多くて、足場に困りました。 森を抜けた場所で見上げると、空の8割ほどは雲がなく、星がいっぱいです。雲間から 月が顔を出すと、ライトが不要なくらいの明るさです。 1時間ほどで本谷山へ。 本谷山からは、尾根筋をしばらくたどった後、ゆっくり右へ下り始め、樹林帯のトラ
バースになります。森の中は、また真っ暗。一度、すぐ左手前方で「グルルッ」と動物
が鼻と唇を鳴らして威嚇する音を聞きました。丹沢のアナグマが同じような音を出すの
を聞いたことがありましたが、こんな標高にはアナグマはいないでしょう。これも鹿だ
ったようです。 |
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塩見小屋の手前のジグザグの登りで、木の枝越しに見上げる空が白んできました。足
元も明るみが増し、ヘッドランプを消して、登ります。 塩見岳西峰(3047メートル)に6時44分着。すぐ目の前、50メートルほどの 場所に塩見岳東峰(3052メートル)がありました。 |
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山頂からは、南ア中心部のすべての山々と、遠く槍・穂高連峰が望めました。槍ヶ岳 の右手に三角形の山がありましたが、常念岳でしょうか。その背後は霞の中。 |
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甲斐駒の両側に、赤岳や阿弥陀、そして蓼科山が意外な角度で見えていたのには驚き ました。ちょっと想像すると赤岳が左、蓼科山が右に見えそうな先入観があったのに、 双方がその逆の位置にあったからです。八ヶ岳・蓼科山のラインを、塩見岳の位置から は南南西方向から眺めることになるんですね。 |
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富士山が予想をはるかに超越して、とにかく大きくて、逆光のシルエット。 塩見岳からダイヤモンド富士をとらえたら、すごい眺めになるのではと思いました。 乗鞍岳と、中央アルプスの背後に御岳も望めました。中アは、全山が朝日に映えてく っきり。百間なぎの崩落地を目印に南駒ケ岳を探し当て、先日の越百山からの縦走路を たどりました。 |
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午前7時に山頂を後にしましたが、8時ごろには、北アや中アは、雲の中に隠れてし
まいました。「早発ち」が功を奏しました。 本谷山の手前で、一気に鞍部へ下降するところがあります。真っ暗な方が、幸せだっ
たところ。この下りかけの場所に湿性のお花畑がありました。マツムシ草が群生する場
所もありました。 三伏峠でテントを撤収。残った水は、帰りにあいさつした京都の登山者に上げました 。峠からの下降でも、しばらくは樹林とキノコを愛でつつ、楽しみの多い道です。 昼過ぎに登山口に戻り、ふもとの鹿塩温泉のしょっぱい湯で汗を流しました。帰りは渋 滞の中央道。都内に入ると猛烈な雷雨が待っていました。 |