木曽駒――霧に濡れる、コマウスユキソウ

2005年8月上旬




木曽駒ヶ岳の山頂への登りの途中、宝剣岳、
遠く空木岳(雲間)、三ノ沢岳(右)をふりかえる


 「野の花、野草 手作り図鑑」のための撮影も、8月に入り、いよいよ大忙し。花 の山旅、今回は、中央アルプスの木曽駒ヶ岳(2956メートル)に行ってきました。
 東京の西多摩の自宅を午前2時40分発、中央道を走り、駒ヶ根市の萱ノ台で5時発の臨 時バスに乗り換えました。ロープウェー駅までのバス道は、崩壊の激しい急傾斜の山腹に 狭い切れ込みを入れたつくりで、大雨の日など敬遠したくなるようなルートでした。日曜 日でしたが、早朝だったためにバスもロープウェーも待ち時間なしでした。

 ロープウェーで一気に高度を上げて、山頂駅へ。
 6時15分、登山道を歩きだしました。
 中央アルプスに入るのは、越百山→南駒ヶ岳の縦走(2003年)、空木岳(2004 年)に次いで、これが3度目。ガスが割れて宝剣岳(2931メートル)の灰褐色の岩峰 が蒼空にぐっと突き上げています。残雪の源頭、明るい緑色の草付き、そして周囲を飾る 花々。こんな場所に一気に上がってきた自分が申し訳ないような気持ちがしました。

 登山道は、この千畳敷カールを斜めに横切って高度を上げていき、伊那前岳の尾根が主稜線 に接合する乗越浄土という鞍部に登りあがります。鞍部への急登の道は石組みで補強され、 ガレ地の花が多いところです。



中岳に登ると、目の前に木曽駒ヶ岳が姿を現します

 鞍部からは、中岳を上り下りして、木曽駒の山頂へ、7時35分ごろに着きました。  眺めは、南アのみがようやくというところでした。



木曽駒ヶ岳の登りの途中から、宝剣岳方面

 帰路は、人が少なく、花が多いトラバース道を下降しました。
 雪が遅くまで残るトラバース道沿いでは、花期が尾根よりも半月は遅めで、霧の滴をつけ たコマウスユキソウ(ヒメウスユキソウ)やチシマギキョウ、見ごろのコマクサなどに出 会えました。木曽駒で花を見るなら、稜線通しだけではなく、トラバース道がすばらしい ですね。人も数十分の1程度しか歩いておらず、斜面が急な場所もありますが、それだけに 目の前で花を観賞できました。



コマウスユキソウ



コマウスユキソウ

 実物のコマウスユキソウは、純朴な、可愛らしい花でした。花が2〜3個と少ないために、花 全体の外形が同心円でなくて、2心円やいびつなものが多いこと、綿毛が予想していたよ り、ずっと厚めで、良い風情があったことも、予想外でした。
 正式には、ヒメウスユキソウが正しいようですね。

 三ノ沢岳へのコースで通過する極楽平という場所、それから三ノ沢岳にかけても、花は多 いようです。
 ここも朝駆けすると、いいコースのように感じました。

 千畳敷カール内にもどってからは、周回コースをいったん下って剣ヶ池そばを通り、ゆっく り撮影してきました。クロユリ、ウメバチソウに会えてうれしい思いでした。
 往復で450枚ほどシャッターを切りました。
中アの南部、そして中部の空木岳などにくらべて、北部の「西駒」山域は、花がとても多い と感じました。

 山頂駅 午前9時45分発。終始、早い行動設定にしたのは、カミさんの足が不調で、行 列の待ち時間を避けたかったためでもありました。こんなに早く下りる人はほとんどなく、ま た待ち時間なしで、10時30分には萱ノ台の駐車場に帰ってきました。

 このあと、第2目的地の長谷村、高遠方面へ、花見の旅の続きをしました。
 クマイチゴの密生地帯を見つけました。完熟するととてもおいしいイチゴです。
 午後4時すぎに帰宅しました。

 

◆木曽駒ヶ岳の花は、野の花、野草 手作り図鑑のページをごらんください。
コマクサコマウスユキソウクロユリウメバチソウウサギギクハクサンイチゲチシマギキョウミヤマキンポウゲシナノキンバイイワベンケイイワツメクサタカネツメクサミヤマバイケイソウコメバツガザクラアオノツガザクラ



 [交通メモ 2005年夏現在]

 萱ノ台の駐車場は、道路の進行右手、バスの出る場所もそこにあります。
 係りの方は10人ほどいて、駐車場、切符売り場、バス乗り場などで配置についていまし た。これがバス乗り場の目印になります。
 バスとロープウェーの通しのクーポンを、WEBサイトから印刷して持っていくと、往復 で400円ほど割引になります。人数が多くても可。ただし日帰りだけに適用です。
 クーポンがあることを告げると、バス乗り場では並んで切符を買わずに、バスにそのまま 乗車を指示されます。しらび平のロープウェー駅でクーポンを見せ、代金を払って切符に交 換することになります。
 並ぶ前に係りの人に確かめると、早くことが進みます。

 臨時バスは、休日は午前4時40分すぎから、随時運行を始めていました。定時だと、5時 10分すぎが始発で30分毎くらいのダイヤです。休日はダイヤ無視で6台ほどの中型バス がピストン運行しているようです。混雑する日は、ダイヤにかかわらず終日ピストンです。
 ロープウェーも同様でした。こちらも午後の帰りだと2時間待ちと頻繁にアナウンスされ ていました。千畳敷にはどんどん人が上がってくるし、予定では昼まで遊ぶはずが、恐れを なして早めに下山したというのが実情です。
 雷雨の予報が出ている日は、早めに下りないと、ロープウェーが止まります。

 


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野原 森夫