丹沢山

  1990年4月15日  家族4人

 相模湖東インターを下りて、津久井町経由で、宮ヶ瀬方面へ走る。丹沢山麓は ちょうど山菜のシーズンで、林道を走ると、ウドを掘るクワを持った人、ポリ袋を 提げた人、道端に停車する車などが目についた。
 登山口の堂平は、林道の末端にある。塩水橋というところで、細い林道に分け 入り、高度を上げていく。このあたりでは、木々の芽は、ようやく芽吹き始めたば かり。標高を上げるにしたがって、窓から入る風は寒さを感じるほどほどになっ た。

 曇天。堂平で身づくろいをして、出発する(10時20分)。
 道は、桧の植林地に分け入って、登って行く。ひと登りで、堂平沢の渡渉地点 に出た。大きな堰堤がある。こちら岸は、雑木林に変わり、対岸の斜面はブナの 林だ。

 沢を渡って、急登。子どもたちがばて始めたので、林の中の作業小屋のそば で、おやつにする。足元には昨年の秋に落ちたブナの実がそこらじゅうを埋めて いる。見上げる梢には、まだ青い芽は目立たない。体が冷えてきたので、ふた たび登り始める。

 斜面は次第に急になり、道は電光形を切り始めたかと思うと、泥土の斜面の 急登になる。山頂に続く上部の尾根(天王寺尾根)に出ると、一部、尾根の両側 がやせて、崩壊したところもある。子どもたちには、けっこうてごわいルートで、 シュリンゲを出して体を確保しつつ、ときには手も貸す。
 それにしても、ずいぶんと大きなブナの木がある。こういうコースが、大都市の 間近にあるなんて、意外だった。

 頂上の肩に出る最後の急な登りで、岳彦(小学2年)が半べそになった。励ま し、誉めつつ、歩いていく。
 このあたりは、コバイケイソウ(バイケイソウ)の大群落になっていて、トウモロ コシを皮付きのまま地面に突き立てたような若芽が林立している。実に奇妙な 姿で、有毒植物であることを忘れて、しばし見とれる。花の時期もいいけれど、 若芽の季節もまた興味をひかれる。

 肩に出た。登山道の一帯は鹿の足跡や糞がそこここにある。次の1歩の足を 踏み出す場所をさがすほど、糞がいっぱいのところもある。樹木の幹も鹿が皮を はぎとった跡が目立つ。

 雲と霧のなかの山頂着(12時50分、1567メートル)。少し広い草原だった。草 はまだ枯草が目立つ。木造りのベンチで、おにぎりを食べる。子どもたちは、さっき までの半べそはどこへやら、という感じで、原っぱでチャンバラやかくれんぼを始め た。他に人は5,6人なので、好きなように暴れさせる。

 下山を始めてブナの斜面までもどると、あたりは霧の中。小雨もぱらつきだして、 雨具を着けた。堂平に着くと、本降りの雨となった。





山の便り、大地の恵み (野原森夫)
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