道志・今倉山――残雪の道、南アの展望

2001年2月25日

 短い時間で登ることができ、条件がよければ赤石岳・荒川岳の展 望も期待できるかもしれないと、道志の道坂(どうさか)トンネル から今倉山(1470メートル)に登ってきました。2月25日 (日)の日帰り山行、標高差はわずかに350メートルほどです。 (^^;
 この日は長野の山へ行こうと用意していたのですが、前日の天気 予報では冬型が強まるとのこと、北アや上信方面の展望は期待でき ません。蓼科・八ツあたりでも雪雲の中にはいりそうだったので、 予定を変更。冬型ならかえって晴れる関東地域の中から、道志山塊 をえらんで、妻と出かけました。





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東京・西多摩の自宅(8時32分発)車→中央道相模湖インター→ 道志村→道坂トンネル(10時07分着、同40分発)→道坂峠 (10時55分)→今倉山(11時53分着、12時27分発)→ 道坂トンネル(13時25分着、同32分発)車→都留インター→ 中央道経由→自宅(14時42分着)

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 道志から山中湖へ向かう国道を走った。夕べも、少し降雪があ り、冷え込んだらしく、丹沢の稜線には樹氷が光っている。道志村 の日野出屋の少し先のY字路を右へ折れ、道坂トンネルへ。車道の 脇には、除雪された雪の山が、まだずいぶんな高さで残っている。 この冬は大雪が何度かあったから、道志の山といっても登るルート の雪の状態が気になる。幸い、道志の南側の山腹の雪は、かなり上 部まで融けている。対面する丹沢の北面は、まだ相当の残雪があ る。

 道坂トンネルの入る口では、トンネルのどちら側に登山口がある のか、現場でちょっと迷った。トンネルを抜けて都留の側に出る と、道標としっかりした登山道がすぐ右脇にあり、そこの駐車場に 車を停めた。5,6台ほどの駐車スペースがある。
 10時40分発。
 まずは雪のない明瞭な登山道をトンネルの上にあがり、2,3度 曲がると樹林の中で雪の上をたどることになった。積雪は20〜3 0センチ、一部分で深いところでも50センチくらい。足跡でしっ かり固められていて、歩きやすい。
 15分で道坂峠に上がった。

 御正体山への縦走路は、北面をたどるために日陰の樹林にずっと 残雪がある。が、私たちが進む今倉山への道は、日当たりポカポカ の南向きの尾根で、地面が出ている。明るいミズナラの坂道を登っ て行く。
 峠から15分ほど登ると、さすがにこの南向きの尾根道でも残雪 におおわれ始め、雪道となった。尾根をちょっと東側の下をトラ バースしていくときは風がほとんどなく、暖かい。でも、尾根上を トレースする道に出ると、冷たい西風が強い。



遠く、悪沢岳(荒川三山)と、赤石岳

 途中、小広く尾根が開けたカヤトの茂みに出た。西に遠く、雪の 山並みが雲の中に見え隠れしている。なかでも大きな雪山が2つ あって、どうも右側は荒川三山(悪沢岳など)のようだ。すると、 左の、山頂が隠れた雪壁の山は赤石岳だろうか。それにしても、ず いぶん大きく南アが見える。(帰りでは、雲がすっかり晴れた中 で、右に塩見岳も確認できた。)
 御正体山は、ここから眺めると尾根を屈曲させたその先に大きな 体を横たえていて、すごく立派だ。富士山が、その背後に高くのし かかっている。西側は裾野まできれいに姿をあらわしているのに、 東半分は季節風でできた渦巻く雪雲で隠されている。



御正体山と、雪煙のなかの富士山

 赤石・荒川岳の眺めも、御正体山も、「続 展望の山旅」で紹介 されていた眺めが、そのまま目の前に広がっていた。
 南アや丹沢の景観は、葉を落とした冬の樹林の枝越しに、尾根筋 をたどりながら眺め続けることができた。

 頂上直下でややぬかるみ、滑りやすい泥道の急登になった。足元 を見ると、雪に根元を覆われた朽木の根元に、キノコがある。いま ごろ出るなんて、もしかしたら、と思って顔を近づけると、やっぱ りエノキダケだった。日なたのエノキダケは傘は美しい茶色で、柄 は黒っぽいビロード状、自然のままの特徴がよく出ていた。
 さっきの展望場所のそばには、幹の直径が1メートルを超すよう なミズナラの大木が1本あった。頂上周辺ではブナが目立つ。

 ふたたび雪の道の急登となって、すぐに、今倉山の丸い山頂部に 登りついた。11時53分。
 樹林に覆われた山頂だが、今の季節は枝を透かして、遠望が利 く。けれど、北西の彼方に見えるかもしれないと期待してきた八ヶ 岳や北ア方面の眺めは、今日は暗い灰色の雪雲にさえぎられてい る。
 今倉山は、山頂は樹林、木の枝に視界を制限されるのが、ちょっ と残念。前後の峰や尾根筋では展望がいい場所もあるのに。
 ちょうど三年前の今ごろ、菜畑山―水食ノ頭の区間で南アのほぼ 全体が眺められる展望地点に立ったことがあった。菜畑山は、私は まだ未体験だが、奥穂高岳が眺められるという。道志ではやはり随 一の展望スポットのようだ。

 風が強く、冷たいので、南東側に雪をこいでちょっと下りて、そ こで昼食をとった。明るい林の中で、陽射しがとっても暖かい。夕 べは友人の送別会で新宿で飲んで遅くなったので、小鳥の声を聞き ながら、つい眠りたくなってしまった。

 12時半に、山頂を後に、車を置いたトンネル脇の登山口をめざ して下降する。  登りのときよりも南アの雲がよく晴れて、今度は塩見岳もはっき りと眺めることができたし、三ツ峠の右手には鳳凰三山の前後あた りの雪の稜線も姿を現していた。甲斐駒が見えていい場所もあった が、その方角も雪雲の彼方だった。  ストックを使って、スリップしないようにゆっくり下降。途中、 雪の上に、量が多めのフンを2ヶ所で見つけた。イノシシか、熊 (津久井町などでも捕獲されている)か。13時25分、登山口に 下山した。

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 この記録をFYAMAPにアップしてから、今倉山にくわしいメンバーの方からの アドバイスをいただいた。
 私たちは、今倉山の東峰でひき返してしまったのだけれど、西峰に登ると、ずっと 樹木の少ない山頂から、南ア方面の展望が開けるのだという。
 また、西峰から西ヶ原の鞍部へ下り、登り返したところには 松山という展望地点があり、ここからは、360度の展望が得られるとのこと。 穂高も見えるそうで、都留市ではここに展望盤を設置する計画もあるとのことだった。

 都留市から、道坂トンネルをへて、道志村、さらに津久井町の青根方面へは、 便は少ないもののバスも走っている。こんどはこのバスも使って、 縦走ルートで展望を楽しみたい。





山の便り、大地の恵み (野原森夫)
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