晩冬の赤城・黒檜山、すばらしい大展望でした
2005年3月20日  奥 武蔵さんと2人パーティー






谷川岳を望む



 冬の赤城・黒檜山からの眺めを期待して、奥 武蔵さん(FYAMAPメンバー)と ともに、晴天・好展望の休日をずっと待ちました。
 晩冬の時期にはいった3月20日、ようやく念願かなって、「超」のつく大展望のな か、黒檜山の登ってきました。
 私は、前日までに、次のようなメールを奥 武蔵さんに送って、山行の実施を確認し 合いました。

 3月17日――
 今度の土日はお天気がどこまでか心配はありますが、いまのところ、条件が良いよう です。
 好天でもモヤが多い場合があるので、そこが心配です。ベストの条件ではないかもし れませんが、登山そのものは安全な条件だと思います。
 冬の範囲に入る赤城山の、今季最後のチャンスになりそうです。

 3月19日――
 お天気はやはり、今日の午後から明日の午前が最良ですね。
 今晩と明日朝は、北山(国境稜線)大展望の条件ですが、東京からはもやの具合にか かっています。
 良い時期の登山になりそうです。・・・

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東京の西端の自宅(4時44分発)車→関越道・高崎インター→JR高崎駅(6時05 分着、奥 武蔵さんと合流、7時12分発)→大沼湖畔・黒檜山登山口(8時24分着 、同38分発)→
黒檜山山頂(10時45分着、12時15分発)
→登山口(13時40分着、同52分発)車→関越道・渋川・伊香保インター→川越イ ンター→JR川越駅(16時11分、奥 武蔵さんと別れる、同12分発)→都内・自 宅(17時34分着)

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 関越道の休日の渋滞がさほどでなかったために、高崎市内には、午前6時ごろに到着 しました。八ヶ岳、浅間山、榛名山、谷川連峰、武尊山、そして赤城山や日光方面が関 越道からはよく望め、今日の展望を確信させてくれました。
 7時12分ごろ、奥 武蔵さんと合流して出発。高崎インターからいったん、関越道 に上がってみたものの渋滞がひどく、前橋インターでおり、前橋市経由で赤城山方面へ と走りました。赤城山への登りにかかると、標高900メートルあたりから、路面に前 日までの雪が残っています。峠の下のつづら折の道では、圧雪状態に。順調に雪道を走 り、予定よりも早めに登山口に着きました。
 登山口の100メートルほど手前の広い駐車場は、1メートルほどの積雪が、除雪さ れずにそのままにしてあり、使えません。車を停めるのは、登山口の真ん前。通行止め 中の赤城越えの車道の道路脇です。8台の車が駐車していました。

 8時38分、登山口発。
 奥 武蔵さんは6本爪、私は12本爪のアイゼンを利かせて、取り付きから急な雪面 を登っていきました。ひと登りで、大沼全体を見渡せる場所に出ました。今年は雪が多 かったので、青い氷は雪で覆い尽されていました。すでに春にさしかかろうという時期 のためか、ワカサギ釣りのテントの数も少ない。「60張りくらいかな?」「いや、5 0ぐらいでは?」などと奥 武蔵さんと話しました。



 猫岩あたりまでくると、八ヶ岳(遠望98キロ)や純白の浅間山(62キロ) だけでなく、志賀の横手山や岩菅山なども早々 と視界に入ってきます。国境稜線もずんずんと視界が開け、冬の登りの見晴らしの良さ を感じさせられます。

 黒檜山の登りは、中段にやや平坦な尾根筋の休み場があります。11月のFYAMA Pのオフ会では、ここで3度目の休みをとり、行動食をとったところ。
 今回は私たちは、まったく休まずにここまで上がりました。
 見上げると、山頂部が急な傾斜をとりもどして、大きく立ち上がっています。あと1 50メートルほどの高度差です。
 大沼の対岸に地蔵岳があり、その左に富士山がありました。気品が感じられるのは、 やはり雪の装いのせいでしょうか。それとも、140キロも遠望して、周囲に比す るもののない高さで立っている姿が、そう思わせるのでしょうか。良い眺めに出会えま した。奥 武蔵さんと、富士山の前山にあたる奥多摩の山々は、それぞれ何山だろうと 、しばし山座同定を楽しみました。



標高1700メートル付近から、富士山。地蔵岳の左に。
富士山の左脇は雲取山、右脇は飛竜山。




 地蔵岳の右手には、南アルプス(赤石山脈)があります。とくに間ノ岳と北岳(遠望130キロ)は、巨 大な白いピラミッドが2つ並んで空に浮かんでいるように見えます。おぼろげな稜線を たどると、白い斑模様の甲斐駒と右背後に真っ白な仙丈ケ岳が確認できました。



黒檜山の山頂北側の展望ポイントから、間ノ岳、北岳と、
御座山(黒いシルエット)をはさんで、甲斐駒、仙丈ヶ岳



 見上げると大空にそびえるような黒檜山の頂へ、急登の再開です。視界はぐーんと開けだし、冬 の大展望が展開してきました。

 南アの右、白いかすかな稜線は中央アルプス。
 その右手は木曽御岳(遠望170キロ)。
 草津白根山の白い高原の左手に、背後の真っ白な稜線も見えてきました。肉眼でも鹿 島槍(130キロ)とわかります。


標高1750メートル付近からの樹間の眺め。
左端が横手山、中央が岩菅山、右に白砂山、佐武流山、上ノ倉岳


 国境稜線は、樹間の向こうに谷川連峰も視野に入りだしました。積雪で登山道よりも 1メートル以上は高い位置を行動するため、樹木がまばらな場所では視界が大きく開け 、そのたびにうれしい声をあげつつ、登りました。



浅間山の左に、乗鞍岳(156キロ)



 ボブスレーのコースのように半パイプ状に地面が掘れた急坂では、雪が地面の凹みを 埋めていて、スリップの恐れがあり、気がぬけません。6本爪の奥 武蔵さんは、つま 先に爪がない分、ステップに苦労しました。一部、私がキックステップで足場をつくり 、それを使う場面もありました。

 急な登りが一段落すると、山頂稜線の分岐です。
 分岐の道標は完全に雪の下になり、その手前で左にトラバースするラッセル跡をたど り、黒檜山の山頂に着きました。



展望ポイントから、山頂にもどる稜線で





日光白根山

 日光の山々が目の前に開けます。それもすごいけれども、山頂部の雪の多いこと。秋に枝 下をくぐりぬけて進んだ高さ2〜3メートル内外の樹木が、私たちの足元か、目の下の位 置にあります。眺めも前後、左右全開。国境稜線の連なりが見渡せます。そのまま山頂を通り 過ぎて、北へ100メートルほど進んだ展望ポイントに向かいます。この区間は、日光 側に少し成長した雪庇が張り出していて、赤城山にしては雪山らしい景観が続きます。



黒檜山の山頂の北にある展望ポイントで



 楽しみの展望ポイントは、稜線の突端の雪山でした。このてっぺんで四囲の山々を眺 めることができるのは、いまの季節ならではのヨロコビ。
 しかも大展望です。4度目にして初めて、この頂から北アの山なみを望むことができ ました。
 奥 武蔵さんの、12倍ズームのデジカメを三脚にセット。双眼鏡も取り出して、超 展望の世界をじっくり楽しみました。
 南アの南部の山々こそ、霞のなかでおぼろげだったものの、今回は見えるべき山はす べて、見えていたと思います。ここからは「深田百名山」44座が展望可能のはずです が、赤石、聖、悪沢以外、40座は見えていたでしょう。
 南アの南部以外では、かなりマニアックな展望として、鷲羽岳があります。これも1 2倍ズームでしっかりとらえられました。



穂高・槍方面の眺め





燕岳、鷲羽岳、水晶岳から薬師岳方面





鹿島槍ヶ岳方面。
左から立山(141キロ)、別山、鹿島槍の双耳峰(130キロ)とそのすぐ左奥に山頂部だけ見えている剣岳(141キロ)。
右に志賀の山々の左奥に、山頂部だけ見えている五竜岳。




カシミール3Dによる鹿島槍方面の展望図。国土地理院数値地図50mメッシュ標高を使用

 槍ヶ岳は、双眼鏡をのぞいた奥 武蔵さんが、「あの黒くぽつんと山頂が見えるのが 、槍ヶ岳だね」と。穂高連峰は、前穂、奥穂、涸沢、北穂の4つのピークが見事に「立 つ穂岳」「御幣岳」の姿を見せていました。
 でも、私が一番、優美に感じたのは、白い鹿島槍の姿でした。

 肉眼では、岩菅山から、巻機山まで、そして武尊山を挟んで平ヶ岳へ、燧ケ岳をまた 挟んで会津駒へと続く、延々100数十キロの国境稜線の白い屏風が、なんといっても 迫力がありました。この屏風の反対側はすべて新潟県側。今日は、その白い山脈の全貌 が初めて、雲ひとつない姿で目の前にあります。





上越国境稜線の山々のパノラマ(今回、2005年3月20日)
下段は、2005年1月時点。今回は雪の量が断然多く、沢筋が雪に埋まって見える。

 1時間30分の展望のひとときを満喫して、12時15分下山開始。
 予報どおりに、太陽は薄雲のなかにかげりだしました。すると正直なもので、下りの 雪面は気温がすぐに下がりだし、雪が締まってきました。浅間山も山頂部は早や、雲の 中です。
 奥 武蔵さんと登り以上に慎重に足をすすめ、1時間25分ほどかけて登山口に下り 立ちました。

 帰宅して、互いのカメラの映像を交換し合い、改めて展望の再発見が続きました。こ の冬の終わりに、思い出に残る山旅ができた黒檜山でした。



武尊山






山の便り、大地の恵み (野原森夫)
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