水枯れの八ヶ岳・チチタケの魅力

1994年8月26〜27日  野原 and Kさんファミリー(9人)


 夏休みの終わりの、恒例のきのこ狩りキャンプ。今年は、カラ梅雨に続いて長 期間に渡って雨が少ない夏がすぎ、多くは期待できないシーズン入りとなった。

 八ヶ岳へやってきて山肌を見ると、カラ松の葉が茶色に変色している。「うへー、 こんなの初めて見たよ。山はカラカラだ」「火がついたら、ぼっと燃え上がるんじ ゃないの」。
 とくに尾根筋や南〜東面の斜面がひどい。林に入ってみたが、きのこはほとん ど生え出していなかった。先週に少しお湿りがあった程度だから、しょうがない。
 1100メートル〜1300メートルのカラ松と白樺などの林では、チチタケ、カワ リハツ、それに大きなアカジコウが一本採れた。ヤマイグチも少し。ハナイグチ は一本もない。

 麦草峠周辺まで登って、ツガ林のショウゲンジを探す。
 標高が2000メートル前後なので、山腹よりも湿気があるかもしれないと期待 したが、モミやシラビソもまじる林は、やはりカラカラ。林床の苔も乾いている。涸 れ沢の場所を選んで探索し、チチタケを十数本、ショウゲンジを6本収穫した。他 にヤマイグチも。
 チチタケを裂いてみると、割れた部分から白い乳がジュワッとにじみ出て、ぽ たぽたとしたたった。このきのこの水分は、どうやってこんなに集まるんだろ う?
 ともかくなんとか、きのこ汁の格好がついた。



 今回の料理のヒットは、チチタケの甘辛しょう油炒め。鶏肉、長ネギ、玉ねぎを いっしょに炒め、しょう油、砂糖で味付けした。こってりとしたコク、うまみがあっ て、ビールがおいしかった。熱いご飯にのせて食べたら、うまかった。砂糖を引 いて、かわりにお酒で味付けしても、うまかったかもしれない。
 汁にいれると、ボソボソ、ポクポクするだけのチチタケを見なおした。「栃木の 人たちの、このきのこへの異常な思い入れも、わかるな」などと思いつつ、チチ タケの独特の風味を楽しんだ。




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山の便り、大地の恵み (野原森夫)
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