体験的 キノコ狩りの楽しみ
あなたも、キノコ鍋に挑戦
第7回 家族で森へ行こう





キツネノエフデ

〔ファミリー登山で〕

 わが家では、春は山菜採 り、夏から秋にかけてはキ ノコ狩りや木の実拾いを、 家族登山やキャンプの大事 な要素にとりいれています 。

 ことしの夏山登山は、北 アルプスの奥穂高岳でした 。涸沢カールからの下山は 屏風のコルから奥又白谷へ 下りるパノラマ・コースへ 。岩場のへつりや大きな段 差のある悪路で、二男(五 歳)が大いにバテ、泣きベ ソをかきつつがんばりまし た。そんなときに、落ち込 みそうな息子たちを励まし 、気分転換させてくれたの が、登山道沿いにポツン、 ポツンと姿を現す夏の山の キノコたちでした。

 徳沢まで降りると、テン トを張っている間に、息子 たちはさっそく林へ入り、 キノコ探しです。長男(小 学三年)が「すごいのを見 つけたよ」といって飛んできました。 行って見ると、まるで魔女の指先に マニキュアをしたような、 先端が赤い不思議なキノコ でした。家に帰って図鑑を 並べていっしょに調べ、ス ッポンタケの仲間のキツネ ノエフデ(食不適)という キノコであることがわかり ました。

 この登山では、徳沢から 上高地への下山の途中も、 例によって道の両側の林へ 右へ左へと入りつつ、ホテ イシメジやコウジタケ、そ れにキツネノチャブクロ( いずれも食用)を見つけ、 楽しい観察をしてきました。

〔キノコ・ウォッチング〕

 自然の中でキノコに出会 ったとき、みなさんの家で は子どもにどう話しますか ? 「毒があるかもしれな いから、さわっちゃだめ」 といってしまっては、せっ かくの好奇心が恐怖心に変 わってしまいます。毒キノ コへの警戒心は教える必要 がありますが、大人になっ てからもキノコを漠然と「 怖いもの」と見て敬遠して しまう人が多いのには、や はり考えさせられます。


八ヶ岳でアカジコウを見つける

 虫であれ、植物であれ、 そしてキノコに対してであ れ、子どもの好奇心と興味 は自然の世界を理解し、か かわりを広げる大事な機会 。正確に知ることは、恐れ を解消し、一方で正しい警 戒心と見る目とを培ってく れます。

 実際、キノコの世界は奥 行きが深く、子どもたちと 図鑑を前に額を寄せ会うこ ともしばしばです。
 地面に 土俵のような大きな輪を描 いて生え出したキノコを見 かけ、「お父さん、どうし てこんな形にキノコが生え 出すの?」と質問を浴びせ る子どもたち。
 「土の中に キノコのおおもとがあるの さ。土の養分を食べながら 周りに広がるから、地上に 丸いキノコの輪ができるん だよ」と私。
 食べられない キノコでも、きれいなもの は子どもたちの関心の的で 、何本もまとまって生え出 したベニテングダケの群落 を見つけたりすれば、大得 意です。こずえにコケとキ ノコがびっしりとついたブ ナの巨木を、親子で見上げ て声もでなかったことも。

 キノコは、年に一度、菌 類が子孫の維持・拡大のた めに咲かせる「花」ともい えます。親子で自然を観察 する対象の一つに、ぜひキ ノコも加えてほしいもので す。

 



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菌界に分け入る きのこ探索図鑑



山の便り、大地の恵み (野原森夫)
http://trace.kinokoyama.net/