体験的 キノコ狩りの楽しみ
あなたも、キノコ鍋に挑戦

第5回 シメジもいろいろ




〔ハタケシメジ〕

 キノコ狩りや山菜採りの フィールドへ出かける足場 として、よく使わせてもら う宿に、大菩薩連嶺に近い 山梨県塩山市の民宿「ひい らぎ園」があります。この宿の庭には、毎年 秋も深まったころ、表面が 茶色のビロード状で平たい カサをもつキノコが、大き な株となって生え出してき ます。

 最初に見つけたときは、 時期をすぎかかって古くな り始めていたため、種類が わからず、臭いをかいだり 、写真に撮ったり。くやし いけれど手が出せませんで した。


ハタケシメジ

 翌年の秋、「こんどこそ は」と足を運ぶと、またし ても同じ場所から生え出し ていました。今度は、ずっ と若々しい株で、すぐにハ タケシメジとわかりました 。さっそく、しょう油で煮 て、だしのよく出るこのキ ノコを味わいました。

 ハタケシメジは地中で腐 った木材から菌糸を上に伸 ばし、地面に大きな株をつ くるキノコです。きっと、 あの民宿の庭の地下にも、 大きな朽木が埋もれている のでしょう。

〔スーパー・シメジ〕

 シメジは、街のスーパー や八百屋さんでもよく見か けるキノコです。でも、実 は、あれは「ヒラタケ」や 「ブナシメジ」という種類 。「においマツタケ、味シ メジ」といわれるときの「 シメジ」はホンシメジ(第 1回に写真で紹介)のこと で、街のスーパー・シメジ とは味も種類もまるで違い ます。

 残念なことに、ホンシメ ジは人工栽培ができず、キ ノコ狩りでもなかなか見つ からない稀少種になりつつ あります。また、シメジと 名がつくキノコはとても数 が多く、毒をもつものもい くつもあるため、初心者に は手が出しにくいのも確か 。

 その点で、初心者にも覚 えやすく、たくさん採れる のが、キシメジです。その 名の通り全体が黄色で、形 は柄の根本が太い典型的な シメジ型。アカ松混じりの 雑木林の地面から、枯れ葉 を押しのけるようにして固 まって生え出してきます。 ちょっと苦みがあるので、 ゆでこぼしてから調理する とよいでしょう。似た毒キ ノコはなく、よく似たキノ コはシモコシといって、も っとおいしいシメジですか ら安心です。

 サクラシメジも、シメジ の入門種です。白い表皮の 上に淡い赤をまぶしたよう な色のキノコで、遠目には ピンク色の姿は桜の花のよ うな美しさ。一度、見かけ れば、まず忘れません。似 た毒キノコもありません。


サクラシメジ(瑞牆山)

 今年の秋は、このキノコ の当たり年のようで、丹沢 の山麓などでも、アカ松混 じりの林のなかに、列をな してたくさん生え出し、ポ リ袋がすぐにいっぱいにな るほど採れます。クセがな く、歯ざわりがいいものの 、味がうすいキノコなので 、だしじょう油で煮て、冷 蔵庫に保管して使っていま す。

      



きのこ フィールド Index へ


菌界に分け入る きのこ探索図鑑



山の便り、大地の恵み (野原森夫)
http://trace.kinokoyama.net/