体験的 キノコ狩りの楽しみ
あなたも、キノコ鍋に挑戦
第4回 ショウゲンジ






ショウゲンジ(富士山で)

〔雑キノコの代表種〕

 キノコ狩りに誘うと、「 マツタケでも採れるんなら 、行ってもいいけど」なん て声が返ってくることがあ ります。でも、たとえ有名 なキノコに出会えなくとも 、森にはいろいろと味わい ぶかいキノコがいっぱいで す。

 街の店で売られることも ない、これらのキノコは「 雑キノコ」などと呼ばれる こともあります。この連載 では、この種のキノコばか り、とりあげてきましたが 、今回紹介する「ショウゲ ンジ」は、雑キノコのなか でも人気が高く、代表種と いっていいでしょう。

〔コムソウタケ、ボンサン 〕

 ショウゲンジの名前の由 来は、信州か岐阜あたりの お寺の名前だとか。このキ ノコが大好きな坊様がいて 、寺の名前がキノコの名前 になったとされています。

 形に特徴があるキノコで 、成長しかけのものでは、 白い柄の先端に、丸くやや 細長い、開く前のカサがポ コンという感じでついてい ます。その姿が、尺八を吹 き深編笠をかぶって旅をす る虚無僧に似ているため、 「コムソウタケ」とか、西 日本では「ボンサン(坊さ ん)」などと呼ばれていま す。なるほど、お寺の小僧 さんのような愛らしい姿で もあります。

 カサが開くと、その表面 に放射状に細かいしわが入 ります。成長しきったもの では、そのしわを伝ってカ サが周囲から裂けるので、 よい目印になります。ショ ウゲンジには間違えやすい 毒キノコはないので、これ も安心です。



ショウゲンジ(富士山で)


ショウゲンジ(八ヶ岳のツガ林で)

〔場所を変え長く生える〕

 今年九月初旬、奥秩父の 金峰山の稜線を歩いて、標 高二四〇〇bほどのツガの 林の中にすでにカサが開い たショウゲンジが何本か見 つかり、一足早く、しゃき しゃきした歯ざわりを楽し みました。私のキノコ狩り 仲間は、毎年八月末になる と、八ヶ岳の白駒池あたり に採りにでかけるのですが 、登山者が手を出さないの で結構、収穫があります。 この秋は、富士スバルライ ンの五合目付近のツガの林 でたくさん採れているとの こと。

 ショウゲンジは、 アカ松の林に、マツ タケと前後してぞろぞろと 生え出すキノコでもあります。西日 本では十月下旬ごろが盛り 。私も、マツタケをねらっ てキノコ狩り仲間と伊那谷 の権兵衛峠に登ったことが ありましたが、そのときは 、残念ながら私にはマツタ ケが一本も採れなかったも のの、「外道」のショウゲ ンジをいっぱい収穫。ゆで て、しょう油漬けにし、キ ノコそばの具や晩酌の一品 にして味わいました。

     



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山の便り、大地の恵み (野原森夫)
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