ブナ林で出会うナメコが、好きです




 ヒラタケやエノキタケの欄で、栽培ものは味も姿もぜんぜん別のもの、 と書きました。
 ナメコの場合は、オガクズ栽培でも原木栽培でも、自然のものにくらべて 味には大きな差はないと思います。
 しいていえば、自然のものの方が、えぐみ、野性的な味わいが強いという ことでしょうか。それと、原木栽培や自然のものでは、ナメコを幼菌の、小さな 状態で摘み取ることはせずに、大きく育ったのを収穫するので、これも姿だけ でなく自己主張の強い味を引き出しているのかもしれません。



 ナメコは、秋もかなり遅い時期に、生え出してきます。これは、10月 末、奥利根・ブナの山の林で、倒木から生えだしてきたナメコの幼菌。
 私は、幼菌を見つけると、顔を近づけて、眺めいってしまいます。
 この幼菌は、背丈が1センチ余りでした。

 同じ幹からは、マッチ棒を少し太くしたくらいの赤ちゃんナメコが、続々と 生え出していました。
 この倒木は、まだ新しく、幹の太さが1.4メートルほどもありました。ナメコはまだ 木にとりつきだしたばかりの様子で、これからかなり長い年月、この幹で繁殖を続ける ことになりそうでした。





幹にびっしりとついたナメコ、長い倒木に列をなして生え出してきたナメコ、 ナメコがすごいのは、生え方の華々しさです。しかも、暗い樹林の中で、 ナメコの一粒、一粒は、まるで宝石のようです。

 毎年のように、同じ山の同じ倒木に通って行って、ナメコに出会えるのも、う れしい。
 このナメコの倒木は、2代めです。ナメコをたくさん付けていた先代の倒木が、 朽ちて、砕けて、下の沢へずり落ちてしま ったあと、前の幹に寄り添うように、新しい倒木が落ちてきて、先代からナメコ菌 が移住してきたものです。



 別の年に母と出かけて、2代目の倒木から、こんなにいっぱい 収穫できました。
 こういう秘密の場所をいくつか見つけておけば、毎年のナメコとの出会い、その移り変わり が楽しみになりますね。






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山の便り、大地の恵み (野原森夫)
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