今シーズンのきのこ情報
1993年9月

 山はそろそろ秋本番。今年 は長く暑い夏と雨不足でした が、きのこの世界ではどうで しょうか? おでかけの参考 に「きのこ狩り情報」をお届 けします。

 きのこのドライフラワー

 関東、甲信越地方を活動の 場にする私たちのきのこ狩り は、毎年八月下旬がスタート 。標高一五〇〇〜二〇〇〇メートル の森で初ものをさがしますが 、今年は山の樹木にも枯れた 葉が目だつほどで、さびしい シーズン入りとなりました。  「八ヶ岳では、きのこがド ライ・フラワー状態になって いる」、「九月に入っても、 奥只見(福島)ではきのこが 顔を出さない」………。知り 合いのきのこ好きからの情報 も、悲観的なものでした。

 富士山は雨不足に強い?

 「九月いっぱい雨がなかっ た、一昨年の二の舞いか?」 。その予想を吹き飛ばしてく れたのが、富士山のきのこで した。九月五日ごろから五合 目付近のツガの林で、人気の きのこ・ショウゲンジ(写真 )やヌメリササタケ(写真) が顔を出し、「ポリ袋がすぐ 一杯になるほど」(東京の同 好者)。

 九月半ばにはショウゲンジ やタマゴタケ(写真)、ナラ タケ(写真)など二〇種類を こす食用きのこに恵まれまし た。ふもとの喫茶店ではマツ タケが採れたとの情報も。

 その富士山でも、一合目の カラマツ林のハナイグチは、 例年より二十日も遅れ、やっ と九月下旬に幼菌が生え出し てきました。八ヶ岳や奥秩父 方面でも、似た状況です。

 木に生えるきのこはタフ

 秋本番の十月以降のきのこ はどうでしょう? 倒木や切 り株に生えるきのこには、ナ メコ(写真)、ムキタケ、ク リタケ(写真)などがありま すが、これらは、一昨年の八 〜九月の雨不足のときにも、 いつもと変わらぬ収穫量でし た。今年は、西日本以外は九 月に相当量の雨があったので 、地面から生えるきのこ(キ シメジやムラサキシメジ、シ モフリシメジなど)をふくめ 、十月はかなりの挽回を見せ るのではないでしょうか。

 これからの季節は、近くの 雑木林でもキノコ観察ができ ます。図鑑を手に家族で森に 出かけてはどうでしょうか。

(新聞に掲載したもの)



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菌界に分け入る きのこ探索図鑑


山の便り、大地の恵み (野原森夫)
http://trace.kinokoyama.net/