丹沢のハタケシメジとナラタケ
2000・10


 10月上旬のこと、ちょっと丹沢の山麓に出かけることになりました。
 現地に着くと、「おもしろいきのこが出てきたので、見て欲 しい」といいます。行ってみると、ホコリタケ(キツネノチャブク ロ)の幼菌が押しくら饅頭をするように生え出しています。
 「これは、若いうちだけは食べられるけれども、味が薄いので、 あまり採ることはないんですよ。くしざしにして、タレを付けなが らあぶると、子どもが喜んだりしますけど」。
 「なんで、ホコリタケっていうの?」
 「成熟すると、穴が開いて、そこからぶわーっと、ほこりのよう に胞子を飛ばすんです。以前に出会ったノウタケなんかも、同じ仲 間ですよ」

 周囲をさがすと、毒きのこのクサウラベニタケが、ある場所には 群れをなして、ある場所には菌輪風の曲線を描いて、いっぱい生え 出しています。



ハタケシメジ

 その近くの木陰に、苔の地面から、ハタケシメジが10本余り、 生えていました。いつも、この時期に、ここで見つけるきのこで、 こくのあるおいしいきのこです。
 数年前、縁側の下に生え出しているのを見付けたのが最初で、少 しずつ場所を変えて、今年は3mほど離れた場所に、出てきまし た。20mほど離れた杉林の法面にも、ハタケシメジがみつかりま した。
 地中に埋まった朽ち木などから菌糸を伸ばしてくるきのこなの で、おそらく造成工事のときに、丸太か材木が地中に埋められてし まったのでしょう。

 「例のナラタケは、まだかな?」というのが話題になりました。 そばの沢を50mほど登ったところに、ナラタケが生え出す倒木が 流れをまたいでいます。
 行ってみると、ナラタケは、まだ釘の頭ほどの赤ちゃんでした。
数十メートルにわたって、何本かの倒木から出始めています。「1 0日くらいしたら、ちょうど食べ頃だね」ということで、短時間の 探索を終えました。

 丹沢の山すそで、けっして山に分け入っていくというほどの場所 ではありません。でも、これまでもいろいろな季節にさまざまなき のこに出会っています。春はハルシメジ、シイタケ、梅雨や夏には タマゴタケ、ノウタケ、カワリハツ、秋にはハナイグチ、サクラシ メジ、アカモミタケ、ウラベニホテイシメジ、コケイロヌメリガ サ、ハタケシメジ、ナラタケ、カラカサタケ。ヤマブシタケと思わ れるきのこを見つけたこともありました。
 秋が深まってくると、山里の裏山みたいなところでも、きのこが 盛りになってきます。

 ハタケシメジは、いったん職場へ戻ってから、通勤電車で家に持 ち帰りました。カメラに収めて、ちょうど妻がモツ煮の具がほしい というところだったので、これに入れてしまいました。図鑑によっ ては★★★マークを出しているような上等なきのこですが、まあ、 上等なモツ煮ということで・・・。
 ほかほかモツ煮に日本酒がおいしくて、いい季節に入ってきたと あらためて思いました。




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山の便り、大地の恵み (野原森夫)
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