富士山のナラタケ

フィールド・ガイドも兼ねて
2000・9・15





富士山で採れたキノコ(これは1999年9月のもので、
ナラタケは写っていません。)


 9月15日、富士山に行って、キノコの探索をしてきました。運 良く晴れ間に恵まれ、シーズン到来の樹林を歩きまわってくること ができました。




GPSで記録した、この日の探索ルート。
右に折れながら登っているのがスバルライン。左は林道のルート。
タマゴタケと表示したところには、モミの若い林がある。
カシミール3D(DAN杉本 作)で描画。国土地理院数値地図50mメッシュ標高使用


 私のキノコ・フィールドの一つの富士山は、夏遅くから秋の終わ りまで、いろいろなキノコに出会うことができる場所です。富士ス バルラインや周辺の林道など、山梨県側の富士吉田から入っていま す。

 0合目は、赤松や落葉広葉樹の樹 林で、種類も多く、9月初めのアミタケを皮切りに9月末〜10月 にはショウゲンジやマツタケも出ます。
 2合目あたりまではカラマツの林が多く、また林道ではモミの植 林地帯も広がります。ハナイグチなどのイグチ類、モミの林ではタ マゴタケ、アカモミタケ、ツガタケその他。ナラタケの時期は9月 半ばから。
 3合目あたりから5合目にかけては、ツガ混じりの樹林で、針葉 樹と白樺など。8月後半、標高の高いところからショウゲンジなど のシーズンに入り、アブラシメジの仲間は9月から。イグチもいろ いろ出、セミプロの方はツガ林のマツタケ採りに樹林の奥深く入り 込みます。10月初めには、林道のブナや落葉広葉樹林(3合目 下)には、ヌメリスギタケ、チャナメツムタケ、ムキタケなども現 れます。

 キノコ・フィールドとしての富士山のいいところは、標高差が大 きく、いろいろの種類の樹林が混生して、長い時期にわたってさま ざまなキノコが楽しめること、そして樹海がとても広大で、人がた くさん入る時期でも自分なりの場所をあちこち見つけることができ ることです。そのうえ、東京から近く、2000メートルより上に すぐに上がれて、秋は展望がすばらしいことも、魅力です。

 昨日の15日は、仕事をためてしまった都合で午前6時30分前 に家を出、午前11時30分には現地を発って、昼過ぎに家に帰り つくというスケジュールでした。
 4合目のポイントへ直行して、まずはショウゲン ジを捜しました。が、このところのキノコブームで前日にも人が歩 き回った様子で、人知れず腐ってしまったショウゲンジ以外、なか なか見つかりません。15日も4合目までで40台ほどの車が止 まっていました。やっと幼菌を4本だけ摘みました。苔の間から帽 子のような顔を出してくる姿は、かわいいものです。



右がツバアブラシメジ、左は類種(?)

 このあたりの樹林には、一部、白樺や広葉樹が入りこんでいる沢 筋があり、アブラシメジの仲間がよく出るポイントがあります。う ろ覚えで樹林を歩いて、ようやくそこへ到達し、ツバアブラシメジ と思われるキノコを数本、採りました。いっしょに来た妻が、少し 離れたところで、ナラタケと、10本ほどのツバアブラシメジ(類 種)を見つけ、そちらへ移動して写真を撮影。
 ツバアブラシメジは、さまざまなタイプ、仲間があり、同定がむ ずかしいキノコです。ガイドブックには、確実に同定できない場合 は、むやみに食べてはいけない、と書いています。私は、同じ場所 で去年も同じキノコを得ていて、試食済みなので、今回はこのキノ コを最初から目的にしてきました。

 場所を3合目に移して、また苔むした樹林へ。
 道路の近くでは、人が多い。ここでは、ツバアブラシメジと(ほぼ)はっ きり同定できるキノコを見つけました。

 どうも人が入りすぎているので、場所を大きく変えて、スバルラ インを一気に下降し、近くの林道を登り返しました。
 1合目の上あたりに、タマゴタケやハナイグチのポイントがある ところです。林道は、ぐんと車が少ない。

 ハナイグチを見つけようと、通いなれた場所に入ったら、ハナイ グチがまだ時期早めで見つかりません。が、妻が、ヤブに入って 行って、「すごいよ。来てきて!!」といいます。
 行ってみると、うわっ、これは、なんだろう? あれれ、ナラタ ケだよ。すごい量だ。
 カラマツ林の樹勢が衰えた木に、ナラタケがびっしりと付く様子 は、富士山では前にも見かけましたが、ここではまだ若い木の根元 や地面(根や落ちた枝)からナラタケが生え出しています。そこら じゅう、ナラタケだらけ。摘み始めて場所を移っていっても、まだ ナラタケはあたりに見つかりました。「11時15分まで、あと1 5分採ったら、帰ろう」といいあって、その時刻までに大きなポリ 袋が満杯になりました。若くて、きれいで、おいしそう。



若い木を枯らして、ナラタケが付いていた

 この日の夕食のメニュー。
 キノコ汁。ナラタケ、ハナイグチ、ヌメリイグチ、ツバアブラシ メジ、ツバアブラシメジ(仲間)、マスタケ、豆腐、ネギ、味噌。
 煮もの。ショウゲンジ、ナラタケ、里芋、鶏肉、しょう油、お 酒。
 瓶詰めで、ナラタケのしょう油漬け、ツバアブラシメジ・マスタ ケのしょう油漬けも計4本、作りました。




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