富士山、今年はチャナメツムタケが豊作

2002年10月6日



ショウゲンジ(コムソウタケ)。3合目で。煮物で食べました

 今日(10月6日)のフィールドは、家からは1時間少しで行くことができる富士山です。この時 期、毎年、富士山には出かけています。河口湖からスバルラインで4合目あた りまで上がり、道路沿いを4ヶ所ほど探索。そのあと、近くの林道へ移動して、 2ヶ所、林に入りました。

 朝7時30分すぎ、中央道を河口湖で下りました。もやが濃くて視程は2、 3キロくらい。スバルラインを4合目まで上がったら、青空が広がり、遠く南 アルプスの山が見えてきました。フジアザミの大きな花が沿道では目立ちま す。標高2100メートル。風が冷たくて、フリースをかぶりました。

 このあたりは針葉樹の森で、例年8月後半から9月前半にかけて、ショウゲ ンジやナラタケなどが盛りを迎えます。今日はあまりにも時期が遅いので様子 見でしたが、林床をコケがおおっている場所で、時期遅れで生えだしてきた ショウゲンジが数本、見つかりました。アイシメジも1本。

 3合目に下って、また針葉樹の林内へ。この場所でもショウゲンジを10 数本、見つけました。
 ここで、富士山を管理している「恩 賜林組合」の腕章をしたおじさんに出会い、シーズン通しのきのこ狩り許可証 1人1000円×3人分、3000円を払いました。数年前までは500円だったので すけれど。それに、「年間通し切符」とはいいながら、私は富士山にはせいぜい1シーズンに1、2回しか来ないの で、かなり割高感があります。他の地方で営林署が管理している自然林で は、こういう有料制はありません。
 9月末から10月半ばの休日は、近くの林道入口にメンバーが10数人も 出て、許可証を販売しています。それも、昼過ぎに下山するときは、もう誰 一人おらず、フリーパス。利用料を徴収するならば、使途も明らかにしてほ しいと思います。
 渓流の入漁券ならば、放流する魚の購入費などもかかるでしょうが、この 森でいったい、どのように経費を投入しているのか? また、入漁券ならば、 日釣り券は、年間通し料金の3分の1前後の料金です。
 自然と触れ合う機会をサポートするなどの趣旨で、「料金徴収」だけでなく、 初心者へのきのこや森林のガイダンス、あるいはきのこの判別のアドバイスなど 活動を展開するというのであれば、まだ理解できますが・・・。植林などの 経費に使っているのなら、これも賛成できます。その場合、誰からどこま で、利用料を徴収するのか? という別の問題が出てきます。今は、きのこ 狩りに限っての徴収です。林道を上がる他のドライバーからは、徴収して いません。
 森の利用というのならば、スバルラインの通行料金からも、このような「利 用料」を上乗せ徴収しているのでしょうか? 
 説明不足を感じます。

 広葉樹の林をもとめて、2合目まで下降。ナラが混じった林がありました。 標高1500メートル余りで、薄日が差しているため、歩き回ると長袖シャツ 1枚でも暑い。トリカブトが咲いています。
 この広葉樹交じりの林は大当たりでした。20メートル四方くらいのエリア にチャナメツムタケが点々と生え出している場所がありました。歓声を上げて しまいました。

チャナメツムタケがいっぱい生え出していました
2合目で





チャナメツムタケ

 チャナメツムタケは、ナメコに似た姿、味、ぬめりのあるきのこで、木の枝 や落ち葉が積もったような場所で地面から群生してきます。朽ちた倒木などか ら、直接生え出す場合もあります。ここだけできのこ汁が十分にできるくらい 採れました。ヌメリスギタケ(モドキ)も3株、見つかりました。けれど、こ ちらは時期をすぎています。1株から1、2本ずつ、新しいのを摘みました。 ハナイグチも数本、見つかりました。こちらは、時期がばっちりで、生え出し たばかりの新鮮な姿です。

 この日、きのこ狩りの車は、スバルラインの入り口よりも下側、標高で 1000メートル前後の道路沿いに数十台が止まっていました。この一帯は赤 松がまじっていて、今はショウゲンジ、キシメジ、ハナイグチなどが採れま す。運がよければ、マツタケもここが出会えるフィールドになります。

ヌメリスギタケモドキ(林道)。
雨にあったやや時期遅れの株
アカモミタケ(同)。よい出汁がでます。
LEDランプで下部に光をあてて撮影

 近くの林道へ移動。1.5合目くらいの高さの林に入りました。ここはナラタ ケが一昨年まではとりきれないほど出ていた場所ですが、去年から姿が見えま せん。このあと行った2合目の場所でも、去年、いっぱい生えだしていた場所 に、ナラタケの姿がまったく見えませんでした。きのこはほんとに神出鬼没で す。

スギヒラタケ(林道) きのこ汁をつくりました

 そのかわり、ハナイグチ、スギヒラタケ、ホテイシメジ、ヌメリスギタケ、 アカモミタケ、カヤタケ、チャナメツムタケがとれました。採れた本数でいう と、合計して一番多かったのはチャナメツムタケ、次がショウゲンジ、3番目 がハナイグチでした。林道を茶屋まで降りた広場で地元のプロ風のおじさんら が四角いコンテナにきのこを仕分けしていましたが、一番多かったのはアカモ ミタケでした。入った樹林によっても異なるのでしょう。

 今年の富士山は、ナラタケにまったく出会えず、チャナメツムタケが豊作なの が、異変の一つでしょうか。それと、いつも時期遅れになってしまうハナイグ チがまだ幼菌が目立ったのは、まだ気温が高めだということでしょう。

 12時過ぎには河口湖インターに上がり、渋滞が始まる前に帰宅。
 夕ご飯では、ショウゲンジだけは大根、ごぼう、鶏肉、にんじんといっしょ に煮物に。よく出汁を吸っておいしくなるきのこです。
その他は、ねぎを入れただけできのこ汁にしました。ホテイシメジだけは酒と いっしょに食べると悪酔いするので、子どもによそうようにしました。




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