エノキタケは、冬の使者




 10月末のブナ林。木枯らしが樹木の枝をゆすり、木の葉や小枝が根曲が り竹の葉に落ちてきます。
 2週間前にも来た林なのに、数日前の嵐でブナの林は一変。巨木といっていい 、すばらしい枝振りのブナが、根を地面から引き剥がされて、倒れています。たどる 踏み跡は、ところどころでブナの倒木に通せんぼされ、ときには、踏み跡の地面が 、ブナの根を引きぬかれた跡も生々しく、大きな穴をあけています。
 そんな林で、ヤブにわけいり、倒木を見まわしました。



 ありました。若い、生え出したばかりの、エノキタケです。
 笹を押し倒して、枝を大きく広げたまま、木が倒れていました。その倒木のあちこちから、 エノキタケが小さな株となって生え出しています。カサの直径は3センチ以下。まだ、あまり日に当って いないためか、若いこのエノキは柄にも、カサにも、白いういういしい色合いを 残していました。
 この倒木一本で、何株か、収穫できました。
 エノキタケが生え出せば、本格的な雪ももうすぐです。



 この時期、林を歩くと、エノキタケがけっこう見つかります。
 写真は、その代表的な色合い。まだ若い方のエノキで、成長しきると、柄がビロード状に 黒ずんできます。
 街で売られているものは、暗室で、オガクズから 育てたもの。いわばモヤシです。それはそれで、独自の味わいと歯ざわりがあります。 が、本物は色も姿も、ずっと、きのこっぽい。ややぬめりがあり、上品な味わいがあります。

 田舎の福島あたりでは、真冬に、農家の庭先の果樹などから、このキノコが続々と生え出す 様子も見ることができます。




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山の便り、大地の恵み (野原森夫)
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