ツリフネソウ     

ツリフネソウ科 ツリフネソウ属  釣船草  




 

 覚えやすい姿をした花です。奥多摩では7月末から咲き始め、8月半ばが 花の最盛期です。

 ツリフネソウは花のつくりの巧妙さで知られています。
 正面から見ると、アンコウが大きく口を開けたような姿。花の内部の真ん 中やや上に、雌しべとそれに囲まれた雄しべとがあります。花のお尻に部分 は、巻貝のようにくるくる巻いていて、蜜がその中に分泌されます。
 ハナバチは、花の口から頭を突っ込み、お尻まですっぽり中に入り込み、 蜜を吸います。そのとき、後頭部から背中にかけて、雄しべの花粉がくっつ きます。
 雌しべと雄しべとは、成熟する時期がずれているので、自家受粉は避けら れます。ハチは別の花に飛び、また蜜を吸いに頭を突っ込み、このときに受 粉OKの雌しべが待っていれば、受粉・交配が成立します。
 うまいしくみです。



 



 

 林道の傍らに群生するツリフネソウを眺めていると、数匹のハナバチがツ リフネソウの蜜を吸うのに懸命でした。頭を差し入れてから、這い出して飛 び出すまでの時間は、2秒ほど。2秒以内で、また次の花に飛び移ります。
 花びらの下部を受け皿にしてハチのあのするどい脚を受けるツリフネソウも たいへんですが、ハチの方も夏の一日、こうして次々と頭を出し入れして過 ごすのかと思うと、同情したくなりました。
 でも、ハナバチたちは夢中だったし、最高の収穫期・食いだめ期を謳歌し ている様子でした。
 ツリフネソウの熟した果実も、キツリフネソウと同様に、触れると勢いよ くはじけます。



 



 

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◆仲間 
  キツリフネ
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山の便り、大地の恵み (野原森夫)  
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