マユミ     


ニシキギ科 ニシキギ属  檀、真弓
 別名 ヤマニシキギ 




 

 5月の山でマユミの花に出合うと、「あれれ、これが花かな?」というぐら い、小さく地味な姿だと感じます。直径1センチ弱の薄緑色の4弁花です。
 そのマユミが秋になって実をつけると、鮮やかな薄紅色の実を鈴なりにさせ ます。この実は朔果で熟して割れ、赤い種子がぶら下がります。ともかく 派手派手で、周囲の紅葉する木々にも負けないほどのにぎやかな眺めとなります。
 雌雄異種。
 葉は長さ10センチ前後の楕円形。縁にぎざぎざがあり、先端がとがります。無 毛。
 樹皮は灰色。古いものでは縦に浅く裂けます。



 



9月末 長野県・カヤノ平 



 

 マユミの木は弾力があり、弓の材料に使われました。名前はそこからつけら れました。
 また、マユミの樹皮は江戸時代以前の古い時代に和紙の原料にもされまし た。出来上がった和紙は「檀紙」(「だんし」または「たんじ」「だんじ」)と 呼ばれました。そのために、植物のマユミを漢字で「檀」と書いて、「まゆ み」と読ませています。
 檀紙は、いまも高級和紙として名前が残り、縮みを入れた美しい加工が加えら れて、ご祝儀袋などに利用されています。しかし、その原料にマユミの樹皮が使 われることは、江戸時代から後にはほとんどなくなり、楮などの和紙一般の原料 が使われています。こうして、檀紙は、一般には縮み、縮緬の加工を加えた高級 和紙の名称としてのみ、いまは残されています。
 結納などのときの袋に「檀紙」が使われていても、マユミの艶やかな実をそこ から連想する人は、少ないのではないかと思います。

 


 

///////////////////////////////////////////////////////////


◆仲間 
 
◆関連ページ 
          





 
山の便り、大地の恵み (野原森夫)  
http://trace.kinokoyama.net/