チングルマ 

 バラ科  チングルマ属   稚児車




北アルプス・笠ヶ岳で。2002年8月8日 



 



 



 

 日高山脈の楽古岳に11月初旬に登ったことがありました。パーティーを組んだ中に「冬芽は 高山の寒冷下でなぜ組織が壊れないのか?」を研究している理学部の院生がいました。山頂の稜 線に到達してから、凍りついた潅木の冬芽の観察に没頭する彼の姿を見て、山の楽しみはほんと にいろいろだなあ、と思ったものでした。
 チングルマの場合は、吹きさらしの尾根筋を避け、多量の雪が吹きだまるような窪地や風下の 湿地などで、雪の厚みを頼みに真冬の低温から身を守っています。冬は安心でも、夏は遅くまで 残雪が残るこういう場所は、不利もあります。雪が消えたあとのごく短い夏の間に、一気に花を 咲かせ、実を結ばねばなりません。北大植物園のサイトによると、チングルマの生長は極めて速 く、わずか3週間で開花にこぎつけるという、大雪山での調査データがあるそうです。
 チングルマはバラ科で、草ではなく木です。一抱えもある岩の上で花を咲かせている場合もあ りますが、これは枝を這わせて、岩の上にまで這い上がったものです。花の終わりの劇的な変化 も、チングルマのおもしろさです。
 花びらが散ると、雌しべ(花柱)が伸び始め、赤紫色に変ります。さらに白い毛が伸びだして、 水鳥の羽毛のような姿に変化します。その根元には、種子ができ始めます。
 こうして羽状に変化した部分がパラシュートのようになり、チングルマの種子は風によって、新 しい生育地へと旅立っていきます。



 



 

 


 

 


中央アルプス・空木岳で。2004年9月20日 

 


 

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