ヒメウスユキソウ(コマウスユキソウ)     

キク科  ウスユキソウ属   姫薄雪草(駒薄雪草)  




木曽駒ヶ岳 2005年8月 

 ヒメウスユキソウは、中央アルプスの特産種です。
 矢田部良吉が1880年に木曽駒ヶ岳で採集し、その後、ウスユキソウの仲間でもっとも小さなその姿から、姫 薄雪草と名づけられました。
 伊那谷では、南アルプスの甲斐駒ヶ岳を「東駒ヶ岳」、中央ア ルプスの木曽駒ヶ岳を中心とする中ア北部の山々を「西駒ヶ岳」と呼んで親しんでいます。ヒメ ウスユキソウは西駒の山岳地帯に生育することから、「コマウスユキソウ」の別称でも呼ばれています。

 背丈が10センチ前後と低く、頭花をとりまいて綿毛を密生した葉が小さめで、全体に小さな つくりが特徴です。

 私が、見て、おやっと思ったのは、頭花をとりまく綿毛がいっぱいの葉(総包葉)を拡 げた「花の外形」が、2つの「花」をくっつけたような「双子型」が多いことでした。
 頭花が2個あると、その2個を中心に、綿毛がいっぱいの葉が周囲に広がるため、楕円型、あ るいは、大福もちを2個くっつけたように中央がくびれた2心円型が、半分以上の割合で出現し ていました。
 均整がとれず、ちょっと変っているこの形は、たぶん、ヒメウスユキソウの頭花が2 個ないし3個と少ないものがほとんどという問題が、花の外形に影響しているのではと思います 。頭花1個分の外形におよぼす影響力が、それだけ強いということでしょうか。
ミネウスユキソウや、ハヤチネウスユキソウなど、頭花が中心のほかに、周囲にも数個ある ものでは、開いた総包葉の外形は、比較的均整がとれています。

 もう一つ、実物を見て予想が外れたのは、葉の表面を覆う真っ白な綿毛の多さです。小さなウ スユキソウだから、綿毛も短く、薄いのではと想像していました。それはまったく違っていて、 綿毛に包まれた葉がぽってりと見えるほどに、厚めの綿毛に覆われていました。
 それがまた、この花の可愛らしさをひきたてています。

 頭花の数が多く、ずっと大きめだった、ハヤチネウスユキソウも、魅せる姿でした。ヒメウス ユキソウは、派手さはありませんが、良い風情をもった花です。

 ウスユキソウは、日本の固有種のもつ素朴な、そして可憐な持ち味を、そのまま見てあげたいと 思っています。



 



 



 



 



 



 

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◆仲間 
   ハヤチネウスユキソウ
   ミネウスユキソウ
◆関連ページ 
          





 
山の便り、大地の恵み (野原森夫)  
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