キリ     


ゴマノハグサ科  キリ属  桐 




 

 福島県生まれの私の実家のそばに、ゲタ(下駄)を作る工場がありました。工場で は、桐の丸太からレンガのようなゲタ材を切り出していました。「縦27セ ンチ、横14センチ、厚さ6センチほどの直方体」のゲタのサイズです。こ のゲタ材を円形に並べて、高さ8メートルほどにも積み上げた「ゲタ材タ ワー」が、その工場の敷地には林立していました。よく乾燥させて、狂いの ないゲタを作るためです。
 桐といえば嫁入り道具の桐箪笥もあります。
 日本の農村地帯では、どこでも、桐の木があちこちに植えつけられ、春に は品のある明るい紫色の花が山間の景色を彩ります。



 

 この桐の木ですが、深い山の中で大小さまざまな木に出会うことが、けっこう 多いのです、なぜか? 花が終わって実をつけたあと、この実は桃の実を縦割 りにしたように真っ二つに割れます。中からは、翼がついた軽い種子が風であおら れて、つぎつぎと飛び出してきます。種子は、周囲のかなり遠くにまで、飛んでいく ことでしょう。
 いつの時代かに大陸からもたらされた桐の木が、日本人の生活文化と、そして 自然にもうまく溶け込んで、分布を広げ、生き抜いてきたということでしょう。

 その桐の花。そばでアップで見ると、柔らかな美しい印象とはだいぶ違って、懸 命の繁殖準備といった様相を見せます。
 遠目に見てこそ、美しい花といったところでしょうか。



 

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山の便り、大地の恵み (野原森夫)  
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