秩父、荒川村 ニリンソウと、蕎麦屋めぐり

2002年4月20〜21日



ニリンソウ

エンレイソウ

 秩父の荒川村へのんびりした日程で出かけてきました。
 荒川村は、以前に日野渓谷(安谷川)に数家族でキャンプに来たこ とがあって、そのとき出会ったサクラソウが、思い出になっている場 所です。今回は、宿を予約して、1)のんびり風呂に入る、2)周辺を 散策して花を見る、3)蕎麦屋をできるかぎりハシゴする、という目的 で訪問しました。
 幸い、20日(土)は天候に恵まれ、野生のサクラソウにばったり出 会うことはできなかったものの、いろいろな花にも出会えて、ささやか ながら、楽しい旅になりました。

 秩父市内には、20日の11時すぎに入りました。
 まずは、蕎麦屋めぐりの1軒め、市役所の少し先、国道沿いでいつ もめだっていた「みやび庵」へ。



みやび庵の、北竜産蕎麦粉特製せいろ

 特製の北海道・北竜産蕎麦粉を使っ て生粉打ちにしたという、せいろ(1200円)を1枚頼みました。収穫 から半年たっているので、香りはわずか。蕎麦粉は、実の一番、外 側の、甘皮まじりの3番粉は使っていないので、黒いつぶつぶは見 えず、全体に不透明で、薄い灰色。つゆは、魚の出汁がまだしょう 油と調和しておらず、ねかせ不足でしょうか。(蕎麦の印象は、主観 です。以後も同じ。)

 次いで、間髪いれず2軒目へ。
 荒川村の農協直営の「あらかわ亭」です。数年前はなかった店です。店 の一角、ガラス張りのゾーンで、おばさんが太い腕で蕎麦を打っていま す。これは、期待できるかも。



あらかわ亭の、せいろ

 せいろ(600円)を1枚、ここでも頼みました。蕎麦粉は、甘皮までいれ て挽いていて、黒いぶつぶつが入っています。私は、こういう蕎麦の方 が、香りがひきたって好きです。蕎麦そのものは、透明感はありません。い つも通り、まず、つゆなしで、そのまま口へ。香りは少し、ありました。甘味 も出てきて、食べるにつれて、けっこういけるな、という感じ。つゆは、ここ のも、魚の出汁が、まだ若干、不調和でした。

 時刻は、正午を40分ほどまわりました。
 3軒目は、国道を三峰方面へさらに少し走って、安谷川の橋を渡り、左 へ折れて、1キロ足らず登ったところにある「和味(なごみ)」という店で す。地元で蕎麦の栽培もしている方が店主。地元産の蕎麦粉100パー セントで打っているそうです。



「和味」の、せいろ

 せいろ(700円)を1枚、注文。出てきたのは、やや細打ちで、透明感 のある、黒いぶつぶつが混じったちょっと繊細そうな蕎麦でした。蕎麦粉 のみで打っているとのことで、蕎麦は短く切れてしまっている部分もあり ます。ちょっと、残念だったのは、水切りがやや不足していて、歯ごたえ が足りなかったこと。でも、香りもよく、つゆもおいしく、楽しむことができ ました。

 2軒目あたりからは、ヨメさんが食べきれなかった分も、お腹にいれてきた ので、もう、続けて蕎麦に挑戦することはできません。
 この「和味」の周囲は、荒川村らしい山間の地域で、里山に囲まれた一帯 に農家が点在し、芽吹きから新緑へすすむ山の景色もすばらしい。  そこで、ちょっと周辺を、歩くことにしました。

 「ニリンソウ群生地」という案内板にひかれて、杉林の中の林道を少し、登 りました。右へ折れる標識にしたがって、細道をたどり、群生地らしい斜面 へ。そこはやや日当たりが悪く、ニリンソウは、株が少なく、まだ蕾でした。
 林道へもどって、今度は標識を気にせずに、歩いてみます。道の脇にはギ ボウシや、これも山菜のユキザサなども見えます。タチツボスミレ(?)でしょ うか。そこここに塊をつくっていて、足が止まります。



コゴミと、ニリンソウ

 林道の分岐で右へまわりこみ、小尾根を乗り越して、隣の谷筋(安谷川の 支流)に出てみました。突然、周囲がニリンソウの大群落に囲まれてしまい ました。長さ80メートル、幅40メートルぐらいが、すべてニリンソウで埋まっ ています。2つとも白い花が開き、満開。これだけ大きな群落は、見事です。 小さな沢の北東側の斜面ですが、日当たりが比較的、良かったからでしょう か。
 足元には、ニリンソウの他に、コゴミやウドもあります。ニリンソウを眺める ための歩道にはすべり止めに木材のチップも敷かれ、一帯の農家の方々ら が保存につとめている様子でした。ようやく使いなれてきたデジカメのシャッ ターをずいぶん切ってしまいました。



コゴミ

 支流沿いの道を下ると、蕎麦屋「和味」の200メートルほど下流で、大きな 車道にでました。このあたり、安谷川を対岸へ渡ったりして探索すると、「山の アスパラガス」と呼ばれる山菜のシオデも、見つかりました。畑の隅ではサク ラソウがちょうど見頃になっていました。黄色の鮮やかな花をつけているの は、ヤマブキソウでしょうか。
 カタクリの花は終わりましたが、この時期の荒川村は、花がいっぱいです。



シオデ

 国道へもどって、武州日野駅前をすぎ、三峰方面へまた少し走り、喫茶「木 香里」でおいしいチーズケーキとうまいコーヒーで一休み。午後3時すぎ、荒川 村の「道の駅」のすぐ裏手にある宿に入りました。
 荷物と車を置いて、探索の第2ラウンドです。今度は、この近所の里山につ けられたハイキング道をたどってみることにしました。このあたりの杉林のへり も、シオデがいっぱい生え出しています。エンレイソウやイカリソウ、ユリ科の若 い芽もありました。

 まず、カタクリの群落を訪問しようとすすみましたが、すでに花が終わり、群落 がある斜面に沿った道は、遮断されて、保護期間に入っています。
 それで、「コナラの道」「尾根の道」とか「炭焼きの道」などと名付けられた雑木 林の中を、登ったり、降りたり。炭焼きで倒されたナラの木は、残された切り株 から3、4本の新しい芽が伸び、それが太い幹に成長して互いにくっつきあい、珍 しい姿のまま年を重ねています。人の手が入ったそんなナラの木が、道の周囲 にはつぎつぎと現れて、里山のよき時代を思い出させてくれます。



ワサビ



ワサビの花。
十文字がくっきりしていなくて、
それどころか花びらが五弁。
それで同定に迷っています


 途中、水が切れた沢筋沿いの斜面に、ワサビの大きな群落を見つけました。こ んな涸れ沢のしかも谷から少し上がった斜面ですから、ワサビのはずはない、と、 茎と葉を食べてみました。ちゃんとワサビの味がし、香りもします。でも辛味はほ とんどないし、香りもおだやか。
 自然探勝路沿いですし、炭焼きの里山のことですから、収穫することはでき ず、ここでもデジカメに活躍してもらうことにしました。

 宿の朝食には、「遠くで摘んできた」というカタクリのひたしが出ました。
 茎は、いたいたしいほど細く、葉も小さく、口に含んでみると少し甘味が広がり ました。



宿のお風呂

 翌日は、雨。次第に本降りの様相です。
 蕎麦屋めぐりを、続けました。



「田中屋」の、田舎せいろ

 国道をもどって、秩父市内にある、「田中屋」。石臼挽き、蕎麦粉100パーセント と小さな看板を出しています。ご夫婦で店を経営している様子。私は田舎蕎麦 (700円)。香りがよく、たいへんコシのある蕎麦で、歯ごたえが楽しめました。つ ゆも、今回の6軒のうち一番、濃い目で、まろやかにしあがり、私好みです。おい しい。オーソドックスに蕎麦の味を押し出しているという感じでした。5台しか止め られない国道脇の駐車場はいつも満杯です。

 2軒目は、EOSさん(山の展望と地図のフォーラム)からいつか教わった、荒川の川向い(伊那地区)の「長尾 根」という蕎麦屋さん。一時、雨が強く降るなかを11時半の開店と同じに駆けこみ ました。



「長尾根」の、そば

 店の中は、どこか喫茶店風のつくりで、「あれれ」と思いました。が、出てきた蕎 麦(600円)は、香りが今回の蕎麦屋めぐりでは、一押し。ノリがふってあり、私は これをよけて、香りを楽しみました。ゆでかげんは、わずかに固め。つゆは、中濃 ですが、ここのも丸みが出ていて、蕎麦としっかり合います。「噛んでいると、甘味 が出てくる」というヨメさんは、今回まわったうちで、ここが一番だったと話していま した。
 店は母娘で経営しているのでしょうか。奥にご主人がおられたのでしょうか。店を もっと蕎麦屋風にして、宣伝すれば、もっと客が入ると思いましたが、蕎麦屋は規 模を大きくしては、味が維持できない性格の店です。こういうのは穴場のままが、い いのかもしれません。

 この日、3軒目は、やはり荒川の対岸にある「本家」。せいろ600円。



「本家」の、せいろ

 ご夫婦で経営されているようです。店は、外からは民家風、内部は喫茶店風。出 てきた蕎麦は、香りがあり、コシもまずまずですが、水切りが不足していて、せいろ を斜めにして、水を除けながらいただいたら、せいろの下に盃で1杯分ほどの水 がたまりました。つゆは、濃く、私好みです。
 そのときの調子や、混み具合によっても、蕎麦は味が変わるので、1度きりでは なんともいえませんけれど。蕎麦粉はよさそうなので、ちょっとおしい感じでした。 地元の方が集まって来る店でした。

 2日間で6軒ハシゴして、私がもう一度、行きたい蕎麦屋は、1)長尾根、2)田中 屋、3)和味、でした。秩父ではこのほかにも、おいしい蕎麦屋さんが多いですね。


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野原 森夫
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